昨年のイベントで優勝した母グマの「128グレイザー」/F. Jimenez/NPA Photo

(CNN)米アラスカ州のカトマイ国立公園で一番太ったクマを選ぶ毎年恒例のイベント「ファット・ベア・ウィーク」の対戦表が1日に発表された。しかしその前日、クマ同士のけんかで1頭が命を落としていた。

今年で10年目となるコンテストは、現地時間の2日正午に一般投票が開始され、ユーザーが公式サイトで自分の好きなクマを選んで投票できる。投票は8日に締め切られ、その日のうちに優勝したクマが発表される。

2023年のコンテストでは100カ国から140万近い投票があり、母グマの「128グレイザー」が優勝した。

カトマイ国立公園の野生のクマは、毎年秋になるとブルックス川の下流に集まってサケを捕り、冬眠に備えて脂肪を蓄える。その様子はライブカメラの「Explore.org」で中継されている。

ところが30日、視聴者の目の前で、オスの「クマ469番」が、ほぼ同じ大きさのメスの「クマ402番」を襲い、殺してしまった。

この影響で対戦表の発表は1日延期され、コンテスト主催者が編成を組み直した。

米国立公園局とExplore.orgは映像を編集した上で、専門家の解説を添えてユーチューブに掲載した。

何があったのかは不明だが、普通ではないと解説者は指摘する。402番はオスのクマに襲われて逃げようとしている様子だったが、逃げることができなかった。メスは溺死(できし)したようだと専門家は解説している。

「402はみんなに愛されるクマだった。誰もが言葉を失った。あまりにつらい」と専門家のマイク・フィッツ氏はコメントしている。