7回を投げ終え笑顔でベンチに戻る西舘勇陽(カメラ・宮崎 亮太)2024年3月29日撮影=東京ドーム

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 巨人が4年ぶり48度目(1リーグ9度含む)のリーグ優勝を達成し、球団創設90周年の節目を飾った。担当記者が選んだ各選手のベストゲームを深掘りする。

 ◆3月29日 巨人4ー0阪神(東京ドーム)

 [勝]戸郷1勝 [敗]青柳1敗

 [本]梶谷1号2ラン(青柳・5回)

 開幕日にプロでの初仕事を託された。3―0の7回。西舘勇陽投手の名前がコールされると、東京Dの大観衆が沸いた。12球団の新人最速でのプロ初登板。1回無安打無失点でプロ初ホールドを挙げ、「何とか3人で終われたので、自分の仕事を果たせて良かった」と表情を崩した。

 春季キャンプから先発起用の構想だったが、3月中旬に中大の先輩でもある阿部監督が救援スタートを決断。開幕から「7回の男」に抜てきされた。オープン戦中から内海投手コーチにはブルペンでの準備、中川にはリリーフの配球などを学び、デビュー戦に生かした。

 「自分ができることをまずやる。それが一番」とプロの門を叩き、この日の第一歩を開幕から10戦連続無失点、新人タイ記録の10戦連続ホールドにもつなげた。シーズン途中から先発に転向したが、大きな財産になった初登板。チームが得点力不足にあえいだ前半戦、ルーキーの躍動は確かに4年ぶり優勝の力となった。