ガソリン代が10月から「値上がり」する!?そもそも”二重課税”が指摘される日本のガソリン代は高いの?

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車を所有している人にとって頭を悩ませる原因の一つが、ガソリン代でしょう。車を維持するためにはさまざま費用がかかりますが、その中でもガソリン代は毎月のようにかかるため、家計の負担になると感じている人も少なくないでしょう。 ガソリン代について、値上げのニュースを耳にする機会があるかもしれませんが、現状どのようになっているかは、確認しておくことをおすすめします。本記事では、ガソリン代に占める税金の割合や、消費税との「二重課税」について詳しくご紹介します。

ガソリン代は今後も値上げするのか?

経済産業省では、全国平均ガソリン価格が1リットル170円以上になった場合、1リットルあたり5円を上限として、燃料油元売りに補助金を支給する対策を実施しています。
これは小売価格の高騰を抑制するための制度であり、消費者に直接補助金を支給するものではありません。そのため、詳しく知らない人もいるでしょう。なお、2023年11月の閣議決定では、2024年4月末までの措置とされていましたが、新たに期間延長され、2024年内の継続が決定しています。
ちなみに、2024年9月17日時点のガソリン価格は、レギュラーガソリンが174.6円/リットル、軽油が154.2円/リットルでした。補助金の支給によって、この価格となっています。
 

ガソリン代に占める税金の割合と「二重課税」について

財務省によると、日本においてガソリン1リットルあたりの税負担額は42.6%とのことです。うち、33.6%は揮発油税・地方揮発油税及び石油石炭税などの「個別間接税」で、残りの9.1%は「付加価値税」が占めています。
ガソリン174.6円/リットルのうちの42.6%ですから、およそ74.4円が税金になります。つまり、ガソリンの本体価格は残りの100.2円ほどとなるわけです。
日本の場合は、付加価値税に消費税と地方消費税が含まれています。本体価格に加えて税金が課せられており、さらに消費税も課せられるとなると「二重課税ではないか?」といった疑問が生まれるかもしれません。
しかし、揮発油税や石油石炭税などは石油メーカーなどが納めるものであり、その負担がガソリン価格に組み込まれています。一方、消費税は消費者が負担する税金です。つまり、それぞれ納税義務者が異なるため「二重課税ではない」とされているようです。
 

日本のガソリン代は海外に比べて高いのか?

財務省によると、日本のガソリン1リットルあたりの小売価格は、35カ国のOECD加盟国のうち34位とのことです。ガソリン価格が最も高いとされているデンマークは1リットルあたり330円近い価格、第2位のオランダも310円を超えているため、日本より150円近く高いことが分かります。
税負担額についても日本は31位、税負担率では26位となっているため、海外に比べるとガソリン代に対する負担は少ない方であるといえるでしょう。
 

国の補助金が年内は継続|日本のガソリンは海外に比べると高い方ではないと考えられる

2024年9月17日時点で、レギュラーガソリンの価格は174.6円となっています。これは、国からの補助金が支給されたうえでの金額です。2024年中は補助金の支給継続が決定しているため、年内は大幅にガソリン代が値上げすることはないと考えられるでしょう。
また、ガソリン代のうち42.6%は税金であり、実際の本体価格は100円程度です。さらに消費税が課されることに対して「二重課税ではないか?」という疑問も生じているようですが、それぞれ納税義務者が異なることから、二重課税にはならないとされています。
日本のガソリン代は海外に比べて高い方ではありませんが、今後どのように変動するのか確認していく必要があるでしょう。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和補助金
経済産業省 資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和対策事業について(1ページ)
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 9月19日(木)結果詳細版
財務省 自動車関係諸税・エネルギー関係諸税に関する資料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー