23日、レバノン南部でイスラエル軍の攻撃が続く中、南部サイダから北部へ向かう車の列(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍によるレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラに対する23日の大規模空爆でレバノン保健当局は同日、492人が死亡、1640人以上が負傷したと発表した。国営メディアが報じた。AP通信によると、双方の交戦によるレバノン側の犠牲者は2006年の大規模戦闘以降で最多となった。イスラエル軍は攻撃続行の構えで紛争激化の恐れが一段と高まっている。

 イスラエル軍は24日、約1600カ所を攻撃したと表明。民間施設に隠されていた巡航ミサイルやロケット弾などを破壊したと主張した。ガラント国防相は「ヒズボラが約20年間かけて築き上げたものを破壊している」と説明した。ハレビ参謀総長は「次の段階に備えている」と強調した。

 レバノン南部などへの激しい攻撃を続けるイスラエルに対し、国際社会の非難が強まっている。

 レバノン当局によると23日の死者には子ども35人と女性58人が含まれる。レバノン各地では17、18両日、ヒズボラ戦闘員が使うポケベルなど通信機器の爆発も相次ぎ多数の死傷者が出ている。