篠田麻里子

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 9月3日、タレントの篠田麻里子(38)が自身のインスタグラムで〈お付き合いしている男性の方がいます〉と公表した。ライターの冨士海ネコ氏が指摘する、篠田麻里子が結婚後にぱっとしなかった理由と、変わらない「マウント体質」とは。

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 篠田麻里子さんが離婚後、交際相手がいることを発表した。お相手はIT企業CEOの年上男性だという。篠田さんが離婚した2023年に出会い、今年の春から交際が始まったそうだ。

 先日は東出昌大さんのできちゃった再婚が世間を騒がせたが、子どもを持つ身で不倫騒動を起こしたという点では篠田さんも同じ。不貞を問い詰められて「さびしかったんだもん」「死んだら許して」などのやりとりの音声が流出し大いに注目を浴びた。それでも知らぬ存ぜぬを押し通した姿勢はかえって反感を買い、東出さん同様に「信用ならない」イメージに。東出さんが先手を打って自らお相手を公表したのと同様に、篠田さんもあれこれ書かれることを恐れ、交際を報じる週刊文春が発売される2日前に自分のインスタグラムで交際報告という流れになった。

篠田麻里子

 AKB48時代は「上からマリコ」と、ドSな女王様キャラで人気を得ていた篠田さんにしては、どうにも弱気な振る舞いに見える。2012年の選抜総選挙では「わたしをつぶすつもりで来てください」と後輩をあおったくらいだから、悪口を書くようなメディアにだってケンカを売ったっておかしくない。結婚発表ならまだしも、交際の段階で報告するなんて目立ちたがり屋もいいところ。そんなあきれた声もある。

 けれども私は、目立ちたがりというよりも、そこに篠田さんの自信のなさを感じるのである。おそらく篠田さんは、特定の競争相手に勝つことでしか自分の存在意義を見いだせない人なのではないだろうか。それが「上からマリコ」と呼ばれたマウント体質であり、アイドル時代の成功の原動力になっていたように思うのだ。

かつてはこじはるにも「結婚マウント」 マリコ様が結婚後にぱっとしなかった理由

 篠田さんは前夫との結婚が決まった際に、同じ「神7」の一人である小嶋陽菜さんを招いたYouTubeで「陽菜はいつ結婚するの?」とぶっ込んだことがある。小嶋さんは戸惑っていたが、篠田さんは満足気な表情を見せていた。当時小嶋さんの交際相手として報じられていたのは、篠田さんの前夫と同じく経営者。人気も交際相手のステータスも同じ仲間への「結婚マウント」なのでは、と篠田さんの行動は批判された。

 さらに翌年には、ラッパーのPUNPEEさんと結婚報告した後輩の秋元才加さんにもウザがらみしてネットニュースに。秋元さんの結婚報告投稿に、「今日4月1日じゃないよね」と投稿してから祝福するという流れは、「面白い」というより「失礼」と感じる人も多かったよう。当時の秋元さんは女優としても頭角を現し始めており、連続ドラマ出演やハリウッドデビューも控えていた。一方の篠田さんは長女を出産したばかりで、女優業はおろかテレビ出演自体も少なかった頃である。後輩のお祝い事にかこつけての自己アピールかと、結婚後の篠田さんは「マウント」でしか話題にならなくなっていた。

 その篠田さんの「マウント」体質を、ハングリーさの表れだと褒める人も多い。でもハングリーには、2タイプあるのではないかと思う。他人との競争に勝ち続けようとする人と、自分の目標に向かってひたすら努力をしていく人である。篠田さんはおそらく前者であり、それは競争相手が常にいないと頑張れないということだ。

 だからAKB時代は、結果を出すことができたのだろう。競争相手は明確だし、数も限られている。自分の人気は投票という形で可視化され、「次は誰にマウントを取れたら勝ち」か、という目標も立てやすい。篠田さんがマウントを取るのは、自分と相手とどっちが「勝って」いるのか、すなわち「愛されているのか」の確認なのではないだろうか。

 けれども結婚後は、競争相手が多くなり過ぎた。ママタレ、女優、ブランドプロデューサー……。アイドル卒業後に篠田さんの参入した領域は、強敵だらけだ。古巣の数人の仲間にマウントを取ったところで、「勝った」達成感も、「愛されている」満足感も得られなかったことだろう。藤本美貴さんと大沢あかねさんという、ママタレ界の双璧とトークしている動画では、篠田さんは借りてきた猫のように大人しかった。産後うつになったことや、食事作りを頑張り過ぎてしまうといった育児の悩みを明かした篠田さんに、先輩ママの藤本さんらは優しく声をかけていた。でも篠田さんは、ママタレ界ではもう勝ち目がないことも悟ったのではないか。「さびしかった」「私は誰にも愛されないんだから」と涙声で訴える音声が流出したのは、その4カ月ほど後である。

怪演女優にもなりきれなかったセルフパロディードラマ 結婚に向かないマリコ様が輝く場とは?

 離婚後の篠田さんがようやく話題になったのは、セルフパロディーのような「不倫妻」役を演じた今年1月期のテレビ朝日ドラマ「離婚しない男−サレ夫と悪嫁の騙し愛−」である。卑猥(ひわい)なセリフやシーンは毎回ネットニュースを騒がせるも、どこか篠田さんの演技には照れがあるというか、吹っ切れ感がなく見ている方が恥ずかしかった。このドラマには怪演女優として有名な水野美紀さんも出ていただけに、演技力でマウントを取れる同性がいない、と戦意喪失してしまったのかもしれない。とはいえ、小沢真珠さんや奈緒さん、田中みな実さんなど、怪演でブレイクした女優は多いだけに、チャンスを棒に振ったように思う。

 篠田さんの仕事やプライベートが今後どうなるかは分からないし、外野があれこれ言えることもない。ちなみに前夫とも交際0日婚が話題になったが、今回のお相手も篠田さんの大ファンだそう。また経営者か、お金の匂いに敏感だとはやし立てる向きもあるが、たぶんお金というよりは、積極的に好意をアピールしてくる男性に弱いのだろう。若手実業家といえば、失敗を恐れず仕事も女性もガツガツいくタイプが多い。マウント相手がいないと愛されている実感を持てない女性にとっては、交際期間がなかろうと不倫疑惑があろうと、前のめりに告白してくる男性の存在はうれしいに違いない。ただ、競争相手がいないという環境に不安を感じるのだとすれば、たった一人と添い遂げる結婚生活には向いていない気がする。

 でもそれは別に、おかしなことでもなんでもない。家庭に収まるより、女同士で競争をしている姿が一番輝く人であるというだけだ。変な役柄を無理に演じてタレントイメージを落とすより、「バチェラー」など恋愛リアリティーショーに出るほうが、よほど篠田さんの魅力を引き出せると思うのだがどうだろう。篠田さんの人生に必要なのは男性ではなく、同じような美貌とマインドで競い合ってくれる女性たちではないだろうか。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部