[9.5 W杯最終予選 日本 7-0 中国 埼玉]

 出場時点で4-0という点差だったからか、持ち前の度胸ゆえか。DF高井幸大(川崎F)はどこか余裕を感じさせながら日本代表デビュー。「点差もあったので、普段通りできたかなと思います」。興奮する様子なく、試合後もいつも通りのテンションで振り返った。

 高井は4点差で迎えた後半26分、DF板倉滉に代わってピッチに入った。アカデミーの先輩との入れ替わり時には笑顔。「(板倉と)目が合っただけ」。緊張する素振りもなく、視野を広く保ちながら冷静にデビューを飾った。

 3バックの一角で残り時間を守り切った。「(3バックは)あまりやったことないが、少ない時間のなかで理解しようと努めた」と振り返る。「WBのところで点を取れたのは、きょう良かったところ」と試合を総括した。

 4日の誕生日で20歳になった。チーム最年少は、パリオリンピックの躍動からA代表初招集、そしてW杯最終予選のピッチに立つまでにステップアップを遂げた。それでも、まだまだ成長を止めるつもりはない。「もっともっと出場したい。もっと自分のレベルを上げていきたい」と意欲をのぞかせた。

(取材・文 石川祐介)