[9.5 W杯アジア最終予選 日本 7-0 中国 埼玉]

 存分に個の力を見せつけた。アジアカップ以来の復帰となった日本代表MF三笘薫(ブライトン)は左のウイングバックで先発出場。当然、その突破力を警戒してくる中国は1人ではなく、2人で対応するほどだったが、お構いなしに何度となく仕掛け、たびたびチャンスメイクした。

 1-0で迎えた前半アディショナルタイム、右サイドでMF久保建英からパスを受けたMF堂安律の左クロスに逆サイドから反応。ゴール前に走り込んだ三笘が技ありのヘディングシュートを逆サイドのサイドネットに流し込み、貴重な追加点をマークした。

「ウイングバックからのウイングバックというのは狙いでもあったし、練習から言われていた。相手の4枚では見切れない。そこは狙っていた」。久保や堂安らコンビネーションから崩そうとする右サイドにボールがあるときは、常に逆サイドから入っていくことを狙っていた。

「あそこは毎回狙っていた。それまで3回ぐらい来なかったので、今日は来ないかなと思っていたけど、来て良かった」。冗談交じりに喜んだ三笘は、ブライトンでもプレミアリーグ開幕節のエバートン戦(○3-0)で右サイドからのクロスに逆サイドから走り込み、今季初ゴールを決めていた。「そこは意識して、今季監督からも言われている。そこが今日の試合でも出た」と胸を張った。

 2-0で折り返した後半7分にはワンツーでMF南野拓実の追加点をアシスト。2得点に絡み、後半18分でお役御免となった。チームは三笘交代後もゴールを重ね、終わってみれば7-0の大勝。「前半にセットプレーで取れたのが大きかった。余裕を持って進められたのが大きかった」と振り返りつつ、「いろんな選手がいろんな形で点を取るというのは、層が厚いということだし、より競争が激しくなる。次の試合でだれが決勝点を取るかというのもあるし、いろんな選手がそういう気持ちでやっているのはいいことだと思う」と力を込めた。

(取材・文 西山紘平)