酷評された選手村は「最高の場所」 ブルネイの競泳代表だった16歳が地元紙で主張「普段は味わえない料理を楽しめた」
ブルネイ代表としてパリ五輪に満を持して挑んだウォン。(C)Getty Images
去る8月11日(現地時間)に閉幕したパリ五輪。各国のアスリートたちが生んだドラマが大きな話題となった中で、何かと物議を醸したのが、選手村の環境だった。
とにかくアスリートやスタッフたちからクレームが相次いだ。
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招致時から「史上最も環境にやさしい大会」を目指した大会組織委員会は、開幕前からさまざまな工夫を凝らしてきた。しかし、「環境への配慮は選手にとって罰みたいなもの。僕は肉が食べたいし、なぜ強制されるのか」(アダム・ピーティ/英男子競泳)や「部屋にはエアコンがないから、暑さのせいで夜中の2時前ぐらいまで眠ることすらできなかった」(グレゴリオ・パルトリニエリ/イタリア男子競泳)といった不満が各国選手から噴出。トップアスリートたちの理想に叶う環境とは言い難い状況にあったのは否めない。
散々に“酷評”されたパリ五輪の選手村だが、五輪出場を悲願としてきた国のアスリートにとっては、不平不満などない環境だった。
ブルネイの女子競泳代表として大会に参加した16歳のヘイリー・ウォンは、地元紙『Borneo Bulletin』で「たくさんのアクティビティーと、普段は味わえないような幅広い種類の料理を楽しめて、私にとってはとてもいい経験でした」と回想。批判が絶えなかった選手村をポジティブに論じている。
「あのラファエル・ナダル(スペインのプロテニス選手)にも会えたんですよ。それに自動販売機には無料の食べ物や飲み物があり、色々な国の選手たちが集って交流できるクラブもあった。私たちが夢中になれることがたくさんあり、村の周りを自転車で走り回ったこともありました。それでも、周囲に大型車両が通るようなこともなくて、常にとても安全でした」
16歳にとって刺激的で、インターナショナルな場所だったという選手村。世界的には物議を醸し、オリンピックとして4年後のロサンゼルス大会に向け、改善の強いられるところだが、「私にとっては本当にくつろぐのに最高の場所でした」というウォンのような選手の意見にも耳を傾けてもいいのかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]