家を破損して数十万円請求…「悪徳リフォーム業者」にダマされないためには、何を注意すべきか
あと、一括見積もりサイトの中には、リフォーム会社が運営会社に支払う成約手数料が高すぎるところがあります。高いところで20%くらいのところもあるようですが、業界の粗利率を考えると、ほぼ利益は残りません。結局、その金額もリフォーム代金に上乗せされる可能性があり、お客様が通常より割高な額を払ってしまったり、工事品質そのものを落とされたりします。
◆ネットの口コミはサクラの可能性も
白子:手間はかかりますが、ご自身が能動的に探すのが確実です。公式サイトや雑誌をよく見て、お住まいの地域のリフォーム会社を10社ピックアップして問合せする業者は3社に絞ります。
公式サイトについては、会社概要のページの企業理念も見てください。「自分たちだけがハッピーになるんだ」みたいな理念では、いい仕事は期待できません。企業理念は、抽象的な言葉も多いですが、意外と重要なポイントです。それから、過去の施工実績の写真と価格まで載っていれば信頼性が高いです。
広告を出しているかどうかもひとつのポイントですが、Googleマップに付随する口コミを信じ込むのもよくありません。特に、知名度のわりに、高評価の件数が不自然なほど多い会社。サクラを雇って代理投稿している可能性があるからです。もちろん、悪評だらけの会社も避けましょう。
そうして10社を選んで、さらに細かく検討して3社に絞ります。この段階で、その3社に電話やメール等で相談し、無料で見積りしてもらいます。
◆発注を受けてから金額を吊り上げる業者も
――そこまできたらあとは、見積もり額が安いところに決めてOKなのでしょうか?
白子:見積もりも落とし穴が多いので注意しましょう。まず、概算の見積もりで金額の比較はしないでください。よくない会社だと、概算は他社より安く見積もって、いざ発注してから「追加の工事が発生しました」と、どんどん請求額がかさんでいくパターンとなります。
そうした実質、二重価格を出すようなところは、大手にも多く、特別な理由がない限りは、現地を見てもらってから見積りを取り、比較してください。地域密着型をうたう小さめな会社もいいかといえば、必要な工事が抜けている見積りを平然と出したりするところもあります。
部位ごと、部屋ごとの細かい項目が見積書に反映されているかを、よく見ましょう。ただ、まともなリフォーム会社でも、イレギュラーな追加工事の発生はありえます。一番安いところに即決するのではなく、どんな家にしたいのかきちんと考え、余裕をもってスタートするのが良いと思います。
<取材・文/鈴木拓也>
【白子靖将】
リフォームとリノベーションを専門とするケアフル株式会社代表取締役。物件選びから、リフォーム計画、設備や建材の選び方などYouTubeやSNSで積極発信中。旧体質や悪い慣習などの固定概念に囚われない、「関わる全ての人がハッピーになる事業作り」がモットー。著書に『リフォーム業者からの見積書が高いと感じたら読む本』(つた書房)がある。
公式サイト:「ケアフルリフォーム」
X:@shiracom1
Instagram:@careful_reform
【鈴木拓也】
ライター、写真家、ボードゲームクリエイター。ちょっとユニークな職業人生を送る人々が目下の関心領域。そのほか、歴史、アート、健康、仕事術、トラベルなど興味の対象は幅広く、記事として書く分野は多岐にわたる。Instagram:@happysuzuki/