「腰部脊柱管狭窄症」はどうやって治すの? 手術や入院が必要ってホント?【医師解説】

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「腰部脊柱管狭窄症」の治療法はご存じですか? 手術や入院が必要なのかについても「出沢明PEDクリニック」の出沢先生に解説していただきました。

※この記事はMedical DOCにて【「腰部脊柱管狭窄症」の症状や手術法を医師が解説 手術費用・成功率や術後生活の疑問も回答】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

≫「腰部脊柱管狭窄症」とは? 医師が症状・原因・治療法を解説

監修医師:
出沢 明(出沢明PEDクリニック)

千葉大学医学部卒業。その後、国立横浜東病院(現・国立病院機構横浜医療センター)整形外科医長、千葉市療育センター所長、帝京大学医学部附属溝口病院副院長補佐などを経た2014年、「出沢明PEDクリニック」を開院。経皮的内視鏡椎間板ヘルニア摘出術「PED(ペド)」を日本ではじめて導入する。日本脊椎脊髄病学会名誉会員、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)名誉会員、日本最小侵襲整形外科学会名誉会員、日本内視鏡外科学会名誉会員。

編集部

腰部脊柱管狭窄症の治療方法について教えてください。

出沢先生

大きく分けると「手術療法」と「保存療法」があります。保存療法は、神経ブロック注射などの薬物療法や筋力トレーニング、生活指導などを組み合わせて行われます。保存療法を続けても改善しない場合や、すでに症状が重度で日常生活に支障を来している場合などには、手術療法が検討されます。

編集部

腰部脊柱管狭窄症の手術療法も教えてください。

出沢先生

脊椎が安定していれば、圧迫された神経を解放する「除圧術」という手術を行います。以前は「椎弓切除(ついきゅうせつじょ)」と呼ばれる骨を大きく削る大がかりな手術が主流でしたが、最近では最小限の侵襲で手術可能です。当院でも骨の部分ではなく、靭帯部分のみで狭窄が起こっている場合には、小さな内視鏡で術部を確認しながら行う「全内視鏡下椎弓切除術(FEL)」を採用しています。また、当院では日本人の体形に則した内視鏡椎弓形成術用の内視鏡を独自に開発し、普及に努めています。

編集部

手術時間や入院期間なども気になります。

出沢先生

一般的な徐圧術は、内視鏡を使った場合でも約1週間程度の入院が必要です。FELの場合は、皮膚を8~10mm切開し、細い内視鏡を使用して手術を行うため、手術時間は60~90分ほどで、入院期間は術後2~3日がほとんどです。