胃がんリスク検診(ABC検診)は“一生に一度”で大丈夫? 受けるべきタイミングを医師に聞く

写真拡大

早期発見のために、多くのがん検診は「1~2年に1回」の頻度で受けることが推奨されています。では、胃がんの発症リスクがわかる「ABC検診」はどのくらいの頻度で受けるべきなのでしょうか。みらいメディカルクリニック茗荷谷の松本先生に教えていただきました。

※この記事はMedical DOCにて【胃がんリスク検診(ABC検診)は“一生に一度”で大丈夫? 受けるべきタイミングを医師に聞く】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

≫ 胃がんは早期発見できれば1週間で治療が終わるってホント?

監修医師:
松本 昌和(みらいメディカルクリニック茗荷谷)

東海大学医学部医学科卒業、順天堂大学大学院医学研究科腎臓内科学講座修了。順天堂大学医学部腎臓内科学講座非常勤助教、医学博士。現在、みらいメディカルグループ代表。「内科らしい内科」を目指し、順天堂大学医学部附属順天堂医院にて研修後、同院の腎・高血圧内科に入局、腎疾患と透析医療に当たる。その後、有隣厚生会 富士病院、御徒町腎クリニックなどを経て現職。大学付属病院で勤務していた経験を生かし、大病院と町医者がそれぞれの立場や役割を担うことを重んじ、常に患者の側にたった高品質の診療を心がける。

編集部

胃がんABC検診はどんなタイミングで受ければ良いのでしょうか?

松本先生

胃がんABC検診に、年齢制限はありませんから、人間ドックや職場の健康診断などと同じタイミングで受ければ良いでしょう。未成年の場合、ピロリ菌が陽性でも胃粘膜の萎縮が進んでいることは少ないため、ピロリ菌の検査だけ行うのも良いでしょう。

編集部

ピロリ菌がいた場合はどうしたら良いでしょうか?

松本先生

ピロリ菌がいた場合には除去したり、場合によっては内視鏡検査を受けたりすることをお勧めします。

編集部

どれくらいの頻度で受けたら良いのですか?

松本先生

基本的に一生に一度の検査で大丈夫です。ただし、B~D群と診断された場合には、その後も継続してケアすることが大切です。医師の指示に従って内視鏡検査を受けたり、ピロリ菌除菌療法を行ったりする必要があります。A群の場合でも、中年以降であれば健康診断や人間ドックで、胃のバリウム検査や内視鏡検査を受けておくとより安心です。

編集部

胃がんABC検診はどこで受けられるのですか?

松本先生

基本的に、血液検査を行っている医療機関であればどこでも受けられることが多いのですが、事前に確認しておくことをお勧めします。通常、人間ドックでもオプションで追加することができます。

編集部

胃がんABC検診を受ければ、内視鏡検査やバリウム検査を受けなくても良いということですか?

松本先生

いいえ、胃がんABC検診はあくまでも胃がんのリスクを調べるもの。A群と診断された人でも、確実に胃がんにならないわけではありません。A群と診断されても、一度は内視鏡検査やバリウム検査を受けることをお勧めします。B群以降の方は、定期的に胃の内視鏡検査を受けましょう。特に、高齢の方は血液検査だけでは不十分な場合もあるので、胃内視鏡検査でも確認しておくことが大切です。

編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

松本先生

もしABC検診で何も問題がなかったとしても、1年おきに胃内視鏡検査やバリウム検査を受けると良いでしょう。また、両親にピロリ菌が見つかった人は、小さい時に菌をもらっている可能性があります。その場合も念のためABC検診を受け、ピロリ菌の有無を確認しておくことをお勧めします。胃がんは早期発見がとても重要ながん。リスクを把握しておくことで、早期発見につなげやすくなります。ぜひ、積極的にABC検診を活用しましょう。