米ミシガン州の自宅庭で、友人同士とともに焚き火を囲んでいた男性。楽しい時間を過ごしていると、野生のアライグマが現れた(『WCAX 「Man saves raccoon from choking on trash in viral video」(SOURCE: WJRT)』より)

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アメリカのある民家の庭で焚き火を囲んでいた男性3人が、窒息した野生のアライグマを救った。アライグマの背中を叩き、喉に詰まったチーズを取り除いた様子を捉えた動画は、SNSに投稿されると再生回数が1800万回を超え、男性たちを称賛する声が続々と届いた。米ニュースメディア『WCAX』などが伝えている。

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米ミシガン州バートン在住のビル・ボスキーさん(Bill Boski)は先日、友人のタイラー・ウェレンさん(Tyler Whalen)、ジョン・プタシェンスキーさん(John Ptaszenski)と一緒に自宅の庭で焚き火を囲んでいた。

楽しい時間を過ごしていると、3人の前に1匹のアライグマが現れた。ビルさんの自宅周囲には野生動物が多く生息しているそうで、普段からシカなどの姿をよく見かけるという。

ビルさんは、アライグマとの遭遇について「背中を丸めて攻撃するような体勢になっていたので、距離を取っていました。でも、しばらくすると慣れたようで、庭をうろうろし始めたんです」と振り返っている。

次第にアライグマは大胆になり、自らジョンさんに近づき、撫でさせてくれたという。怖がる気配を見せないアライグマは、ジョンさんの足によじ登ってくるほどフレンドリーな様子を見せた。ビルさんはアライグマの行動に驚いたそうで、「まるで友達のように一緒に過ごすアライグマを見たのは初めてでしたね」と明かす。

アライグマとの交流を楽しんだ数分後、アライグマは近くのゴミ箱に飛び込んでチーズをくわえて出てきたのだが、そこで異変が起きた。タイラーさんは「アライグマが、チーズを喉に詰まらせてしまったんだ。後ろ足で立ち上がって、本当に奇妙な光景だった」と、アライグマが窒息した様子を話している。

タイラーさんがビルさんにこのことを知らせると、ビルさんはすぐにアライグマの様子を見に行った。ビルさんは「本当に窒息しているように見えました。以前学んだ窒息の対処法を思い出し、アライグマの後ろに回り込み、それを試してみたんです」とのちに語っており、アライグマを助けようと動いた。

当時の様子を撮影した動画には、後ろ脚だけで座るアライグマの背中を叩くビルさんの姿が映っている。ビルさんはしばらくアライグマの背中を叩き続けたが、一向に変化はなく、見かねたタイラーさんが「ビル、ちょっとやり方が違うよ。もっと下の方から上向きに叩いた方がいい」とアドバイスした。

またジョンさんは、「とても信じられなくて、笑いが止まりませんでしたね。ビルは野生のアライグマを叩いていて、アライグマはそれを受け入れていたんですよ」と話しており、目を疑う光景に笑いながら撮影していた。

アドバイス通りにビルさんが背中の下の方を叩き始めると、アライグマは頭を振り、口からチーズの欠片が飛び出した。3人は、まさか野生のアライグマを窒息から救うことになるとは思っていなかったようで、「嘘だろ!?」「上手くいったぞ!」と歓声を上げて大喜びした。

喉に詰まったチーズが取れたアライグマは、少しフラフラとしていたが、すぐにしっかりとした足取りで歩き始めた。

この動画がTikTokに投稿されると、1800万回以上の再生回数を記録し、210万件以上の「いいね」が集まった。InstagramやFacebookでも拡散されており、コメント欄には「これはすご過ぎる」「恥ずかしそうに歩き去る姿が笑っちゃうね」「アライグマが、この状況をどう考えていたのか知りたい」「この後、アライグマが仲間になんて話すのか気になる」「アライグマは、助けてもらっているんだと理解していたんだろうな」といった声が寄せられた。

ビルさんは、「タイラーのアドバイスがなければ、アライグマの命を救えなかったと思います。ネット上では、多くの人が僕をヒーローとか言っているんですよ。信じられないですね」と大きな話題になったことに驚いていた。

タイラーさんも、「アライグマはひどい状態だったけど、上手くいったし、本当に感激しましたよ。こんなに話題になるとは思わなかったですね」と語っている。

一方でジョンさんは、「動画を撮っていなかったら、誰も信じてくれなかっただろうね。ビルがやってくれなかったら、私がやっていたんだけど、そうしたら動画を撮れなかったかも」と笑ってコメントした。

ビルさんたちは、今回救ったアライグマにマーベルの映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(Guardians of the Galaxy)』シリーズに登場するアライグマのキャラクターにちなんで、“ロケット(Rocket)”と名付けたそうだ。

「私たちは20年の付き合いですが、ロケットという新しい仲間ができましたよ」と、ジョンさんは話している。それ以来、アライグマは姿を見せていないそうだが、ビルさんは「戻ってきたら歓迎しますよ」と言い、再会を楽しみにしているという。

ちなみに2022年12月には米ジョージア州で、マイナス12度という寒さの中、線路に急所がくっついたアライグマが鉄道職員に救出されていた。

画像は『WCAX 「Man saves raccoon from choking on trash in viral video」(SOURCE: WJRT)』『Alex.P TikTok「#raccoonsoftiktok #raccoon」』『Neil Mullis  TikTok「Life lesson …don’t sit a wet a$$ on cold rail #coldweather」』『Fox News 「SEE THE VIDEO: Florida deputies rescue raccoon from vending machine」(Volusia County Sheriff’s Office)』『LA Animal Services Facebook「SMART - Baby Raccoon Rescue」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)