【カイロ時事】イスラエル最高裁は25日、宗教的理由から兵役を免除されてきた超正統派ユダヤ教徒も徴兵するよう政府に命じる判決を言い渡した。

 ネタニヤフ首相が連立政権の維持で頼りとする超正統派の2政党は判決に反発。政権が不安定化し、ネタニヤフ氏が厳しい立場に立たされる可能性がある。

 国民皆兵のイスラエルでは男女とも18歳で徴兵される。しかし、ユダヤ教の戒律を厳格に守る超正統派の宗教学校の学生は1948年のイスラエル建国以来、例外的に兵役を免れてきた。長年問題視されていたが、昨年10月から続くパレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦闘終結が見通せない中、優遇措置に国民の不満が高まった。軍の要員不足も指摘されている。

 最高裁は「厳しい戦争の中、兵役における不平等な負担はかつてないほど深刻だ」と強調。超正統派の学生と他の徴兵対象者を区別する法的根拠がないと説明した。司法長官は判決を受け、超正統派から男性3000人を7月1日に徴兵するよう軍に命じた。