Image: @TrungTPhan / X|「1000万ドル調達して5年前から世界初のAI電卓アプリを開発してきたけど、WWDCでアップルの電卓アプリ見て戦意喪失。スタートアップは畳むことにしました」というツイートもバズった。本当かどうかは「?」

発表盛りだくさんのWWDC。

新しい機能の説明を聞きながらずっと感じていたのは、「それってもうアプリでできるよね」ということです。ステージが終わる頃には結構な数になったので、ガッチンコ対決になりそうな競合を少し書き出してみました。

電卓

ペンで式を書く端から答えが出る!グラフがパシッと出る!AIノート機能「Math Notes」
Screenshot: Apple

iPad誕生から14年。やっと電卓アプリきたー(きゃはは)と思ったら、AIガチ組みの超絶進化で、会場は阿鼻叫喚でした。なんなんすか、あの数字の上に出る、増減自由なスライダー。いじると数値が動いて、グラフもにょろにょろ動くの黒魔術すぎます。世の電卓アプリすべてが風前の灯火になってしまいそう。

パスワード管理

iOS 18、iPadOS 18、MacOS 15ではパスワード管理アプリが実装されます。名付けて「Passwords」。サードパーティーの1Password、LastPass、Bitwarden、Proton Passなどとモロ競合関係になります。

ほかのパスワード管理アプリからパスワードはインポートできるし、2段階認証では認証アプリの役目も果たしてくれるほか、Apple Vision ProやWindowsのパソコンでも使えるみたい。

通話録音・音声文字起こし

これも電話アプリに標準装備の機能になります。 TapeACallやTruecallerに影響が及びそう。

アプリのロック機能

アプリにパスワード要求をかけるロック機能も、これまではアプリで対応でしたが、 iOS 18では標準搭載になります。もうアプリを別途使う必要はありません。

ロックをかけたいアプリを選んで認証要求をかけてしまえば、勝手に人に見られることもなし。コンテンツが検索や通知に表示されることもなし、です。安心ですね。

さらにiOS 18では、人に見られたくないアプリを「Hidden」フォルダに入れて隠す機能も新登場。

遠隔操作

SharePlayにも2つのアップデートがきます。たとえば友だちに許可さえもらえば友だちのiPhoneやiPadも遠隔操作できるんです。それってTeamViewerがやってることやん…と思ったみなさまは大正解。

手書きノート

AI計算ノート「Math Notes」の次に感動だったのが、ノートとりが格段にラクになる「SmartScript」です。機械学習モデルの力で、走り書きの崩れた字を読みやすい字に一発で修正してくれるんです、筆跡はそのままに。

メモに外部ソースから文章をコピペすると、自分の筆跡に自動で変換。文字はゴシゴシこすると消せるし、文章を手で片側に寄せれば、その前後に加筆もできます。Otterさんの未来が心配。

カスタム絵文字

「ヒーローみたいなママ」「DJみたいなキツネ」などと入力すると、AIの力で新しい絵文字が自動生成される機能。これまでNewjiでできていたことが、iOS 18では標準でできるようになります。

Meta Quest Pro

VisionProでMacを開くと、ぐる〜りと体を囲むように画面が展開する
Screenshot: Apple

Apple(アップル)のVision Proは50万円以上するので、予算的にはまだ7万4800円のMeta Questのほうが有利ですが、発売から4か月。OSがvisionOS 2にアップデートしたことで競争が現実味を帯びてきました。

Vision Proの課題はアプリが少ないこと、使うシーンが限られていること。

そこでvisionOS 2では写真を等身大のリアリティのある3Dの姿で空間に投影したり、写真アプリのSharePlayで遠くの友だちと共有したりできるようになっています。

上の画像は、Vision Proで開いたMac仮想ディスプレイ。Meta Questの仮想マルチディスプレイ環境が現実のお部屋に浮いて見える感じですかね。

Androidのメッセージ機能

Android勢にはメッセージ機能で攻めています。iMessageでつけられるリアクションが5種類から大幅に拡大。iOS 18ではさらに送信時刻をタイマー設定できるAndroid得意の機能も実現します。テキストにエフェクトをかけられる機能もAppleらしいっちゃーらしい。

Windows 11

一方新しいMacOS「Sequoia(セコイア)」では、タイル機能でWindows 11にジャブをかましています。Macでマルチタスクするときには、ウィンドウひとつを画面の端にもっていけば、自動的にいい具合に並ぶんです。リサイズの手間が省けて大助かり♪

小口決済

Screenshot: Apple

iOS 18の「Tap to Cash」機能が小口決済アプリのVenmoを直撃です。iPhone同士を近づけるだけでApple Cashで即送金できちゃうんだもん。メアド、電話番号、Venmo IDの交換も不要。

スマートホームハブ

Screenshot: Apple

iOS 18のコントロールセンターはページをスクロールで操作できるので、スマートホームの管理も手軽。上にスワイプすれば音楽再生用の2ページ目が表示されて、また上スワイプすればスマートホームの3ページ目が表示され、スワイプ、スワイプでコントロールセンターのページやグループをすべて回れるんですね。

左上の「+」を押せばほかのコントロールも表示されて、ワンタップで追加も可能。これだけカンタン操作だと、Amazon Echo Hubみたいなスマートホームのハブを使いたいという人は減って、スマホで管理したくなっちゃうかも。

生成AI

OpenAIと提携すると言った割には、サム・アルトマンCEOを舞台に上げることもなくて、基調講演はApple独自のAI「Apple Intelligence」の発表一色。AppleのAIで処理できないことはChatGPTなどに回すってな説明に終始しました。

午後の対談でソフトウェアエンジニアリング部門シニアVPのクレイグ・フェデリギは「Google Geminiもゆくゆくはオプションに加える方向で考えている」と言ってたし、OpenAIのChatGPTは「その他大勢のひとつ」的な扱いなのかな。

いずれにしてもGeminiとApple Intelligenceはいいライバルになりそうです。

文書作成

まだApple Intelligenceでできることは動画でしか見てませんが、iOS 18、iPadOS 18、MacOS 15では作文を直してくれる機能がきて、Grammarlyに交代になっちゃいそうです。書き直し、まとめ、校正がそれこそApple端末のどこからでもできちゃう。Mail、Notes、Keynoteはもちろん、サードパーティのアプリでも使えます。

Apple iPhone 15 Pro (128 GB) - ブルーチタニウム
161,414円
Amazonで見る
PR

期待しかない。ガチで使えるiOS 18の新機能