「ロキ」トム・ヒドルストンのジョギング習慣 ─ オーディション当日の朝も撮影中も走って役作り

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俳優にはランニングやジョギングの習慣がある。(2011)のオーディションに挑戦する日の朝も、ドラマシリーズ「ロキ」(2021-)の撮影中も、「ふだんと違うことをする前には」必ず走っていたというのだ。

米のロングインタビューで、ヒドルストンは「人生とは動くこと。そう強く信じています」と語る。(MCU)でロキ役を演じはじめて10年以上、彼は何度走ったのだろうか。

この記事には、「ロキ」シーズン1 第1話『大いなる目的』のネタバレが含まれています。

(C)2021 Marvel

ヒドルストンが、ジョギングが役づくりのためになったと語るシーンがひとつある。「ロキ」シーズン1の第1話『大いなる目的』で、TVA(時間変異取締局)に捕まったロキが、“神聖時間軸”における自らの人生を見つめる場面だ。アベンジャーズに敗北したこと、母・フリッガや父・オーディンの死、兄・ソーとの和解、そしてサノスの手で殺されたこと……。シリーズのエグゼクティブ・プロデューサーとして、これらのシーンはヒドルストン自身が選んだものだという。

「ただ、じっと想像していました。自分の死を傍観者として見ることになったり、あるいは見るしかないとしたら、それは唯一無二の実存的衝撃、実存的危機をもたらすことでしょう。どのように演じていいか、参考になるものがありませんでした。衝撃や嫌悪感、不名誉、恥、疑念、受容、不信、そして悲しみが自分自身の中心に存在していなければならなかったのです。」

このシーンをヒドルストンは「役者人生で最も身震いするような挑戦だった」と振り返る。そこで撮影までの準備時間中、彼は20分だけ走ることにしたそうだ。

「セットの周りをジョギングして、あの人たちやあのキャラクター、役者たちの思い出をできるだけ内面化することにしました。それは、自分自身にある弱さの中心を発見するため。とにかく基本に立ち返り、非常に複雑なものを単純化しようと試みたのです。ジョギングをして、自分の身体に集中し、自らをオープンにする。ただ、その場で感じることです。」

走ったり歩いたりしていると、ヒドルストンは「行為の繰り返しによって心がリラックスし、アイデアやインスピレーションがより深くから湧いてくる」という。「アイデアを受け取るため、あるいは他の俳優や自分の想像力からエネルギーを受け取るために、自分自身をオープンにしておくことは役者の仕事」だと。

改めてシーズン1の第1話『大いなる目的』を見てみると、このシーンでヒドルストンが表現している感情の幅広さに驚かされる。たった20分のランニングによって演技に落とし込まれたとは思えないほど、あまりにも膨大な、約10年にわたるキャラクターの記憶にほかならないからだ。おそらくそれはヒドルストンの脳ではなく、むしろ俳優としての身体に宿っていたのである。

ドラマ「ロキ」はにて独占配信中。

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