雪乃しほりさんと釣舟大夢さん

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 最初の印象は「最悪でした」。互いにそう口をそろえる二人が昨年11月に入籍し、今年4月1日にそのことを発表した。アイドルグループ「仮面女子」の元メンバー・雪乃しほりさん(33)と舞台俳優の釣舟大夢(ひろむ)さん(37)。しほりさんのおなかには二人の愛の結晶が宿る。

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 二人が「最悪」と感じた2021年7月の出会いのとき。8月に予定される舞台「友情〜秋桜のバラード〜」(演出・鼓太郎)の打ち合わせの場だった。演出助手の大夢さんは、出演予定のしほりさんを見て「高飛車なアイドルが来たのか。最悪だな」。しほりさんも「圧迫感あるなあ。愛想もよくないし、最悪」。人生は異なものである。

雪乃しほりさんと釣舟大夢さん

 舞台はコロナ禍で翌年5月に延期。二人は直前の3月下旬に再会した。大夢さんはしほりさん出演の二つの舞台を見に行っていたが、「演出(の鼓太郎さん)に“あの子で「友情」のあの役は大丈夫?”と話していたぐらいで、ちっとも印象の好転はなかった」と苦笑しつつ明かす。

「思ったより真面目」「意外に優しい」互いに印象がガラリと変化

 ところが、稽古が始まると「思ったより真面目で頑張る子だな」と気付かされた。しほりさんも「教えてくれるときは意外に優しく丁寧で。お芝居がちゃんと好きな人なんだな」と大夢さんの姿勢を見て感じた。

 交流が深まったのは、打ち上げで河口湖へ行った帰りにほうとうを食べた際のこと。辛い物が苦手な大夢さんは「辛い」と大量の汗をかきつつ水を飲んでいた。

「ちっとも辛くなかった」と言い切るしほりさんが「口腔内、ザコなんですね」とからかうと、「口腔内、ババアか」と大夢さんが返す。「そこからふざけたことも言い合えるようになって」。“最悪”な印象はやがて好転していった。

「よければすぐにでも…」結婚を前提に交際スタート

 8月の舞台「三代目湯之介」で共演も決まったが、主演の大夢さんはコロナ感染のため降板し、共演はお預けに。そんな憂き目にも遭いながら親交を深め、互いの年齢から「付き合うなら結婚を前提に」という思いも一致。9月23日、大夢さんが自宅で「結婚前提にお付き合いしてください」と言い、しほりさんもうなずいた。

 12月に、二人は荷物を取りに埼玉県越谷市のしほりさんの実家へ。その日は両親不在と聞いていた大夢さんだが、母・今日子さんは在宅、父・光雄さんもじきに帰ってくると聞いてそわそわ。帰宅した光雄さんに開口一番、「結婚を前提にお付き合いさせていただいている釣舟です!」と宣言。突然のことに今日子さんは「え? そうなの?」。交際していることは伝えてあったのに「忘れちゃってたみたいでした」としほりさんは笑う。光雄さんに「で、いつ結婚するんだ?」と問われた大夢さん。「よければすぐにでも……」と、伸ばしていた背筋をさらにシャンとさせてあいさつした。

1輪のバラを差し出してプロポーズ

 交際開始から1年となった23年9月23日。記念日を祝う花束をしほりさんに渡した大夢さんは、さらに赤いバラ1輪を差し出して「結婚してください」とプロポーズ。しほりさんの笑顔が一段ときらめいた。

 11月23日を入籍日と決め、結婚指輪は「自分たちで作ろう」と大夢さんが提案。10月26日に神奈川県鎌倉市の「鎌倉彫金工房」へ行き、プラチナの棒をバーナーで炙り、たたいて磨いて……。3時間にわたる作業でそれぞれが思いを込めて相手の指輪を作った。

しほりさんのおなかには新しい命が

 彼女のおなかにいる女の子は8月13日に産まれる予定。大夢さんは11日まで鹿児島県で地方公演の予定があり、「ドキドキですね」(大夢さん)。二人が開設するユーチューブチャンネルでは子どもとしたいことを含む“100のやりたいこと”を掲げ、「できたものから更新しながら楽しく笑って生きていきたい」と二人そろって言う。最悪から始まった関係は「最良」に昇華。家族が増えたときには「最高」になるだろう。

「週刊新潮」2024年6月6日号 掲載