「安い!」ということに引かれて購入したZTEの折りたたみスマートフォン「Libero Flip」。とはいえ、安いだけでは購入の動機としては弱い。

 ではなぜ購入したかというと、三脚いらずで「製品を使っているわたし」の写真を撮影したり、発表会イベントの様子を三脚やスタンドなしに動画撮影──しかも狭いスペースで──したりできるからだ。

 撮影がメインなので、ある程度、見られる画質がほしいところだが、実際はどうだろうか。今まで(折りたたみスマートフォンとしてあまりに廉価だったため)避けて通ってきた写真のクオリティをじっくり見ていきたい。

 なお、比較に使ったのは同じくミドルレンジモデルのOPPO Reno9 Aである。それぞれのアウトカメラの性能は以下の通りである。

 Libero Flip──約5000万画素+200万画素(深度)
 Reno9 A──広角約4800万画素、超広角約800万画素、マクロ約200万画素

 また、稀にiPhone 14で撮影した写真との比較や、比較対象のない写真も上げる場合があるので、了承いただきたい。

食べ物

 おいしそうな食べ物を目の前にすると、「さあ食べよう」より「とりあえず写真を撮っておこう」となりがちだ。

 SNSでシェアするかもしれないが、ライフログとして残しておきたいという場合もある。「スマホを買って最初に撮るのがおいしそうな食事」という人も多そうだ。というわけで、食べ物である。

ある日のランチにガストで食べた欲張りセット。Libero Flipでは大きな窓から入り込む空の青を取り込んでしまっている。とはいえ、シズル感たっぷりである

こちらもガストの欲張りセット。Reno9 Aのほうが暖色系が強く出ている

ある日のチキングリルをLibero Flipで。テリ感がしっかり表現されていると感じる

こちらも同じものをReno9 Aで。皿の白い部分が写真の大部分を占めていることもあり、少し暗い画像になってしまった

植物はどうか

 季節の植物を撮影して残しておきたいという人もいるだろう。もちろん、もらった花束も(あれば)枯れる前に撮っておきたいところだ。

品種はわからないが桜の花をアップで。柔らかなピンク色の特徴を捉えている。Libero Flipで撮影

同じ桜の花をReno9 Aで撮影。ピントが合っていないこともあり、ぼんやりとした印象になってしまった

ほぼ満開の桜を遠景で捉えた。Libero Flipで撮影

同じ場所からReno9 Aで撮影。たしかにこの日は晴天であったが、空の色を作りすぎかもしれない

藤棚に咲く藤の花をLibero Flipで撮影。ぱっと見は悪くないのだが、背景が滲んだような描写になってしまっている。とはいえ、発色が良い

同じ藤棚をReno9 Aで撮影。デジタルズームだと、背景が滲むのは仕方がないのかもしれない

Libero Flipで撮影。黒い部分が潰れてしまっており、HDRの効果が感じられない。ちなみにF値1.8、シャッター速度284分の1秒、焦点距離3.98mm、ISO感度は100であった

Reno9 Aで撮影。黒い部分でも木目が感じられる。その分、全体的に明るく撮れており、淡い印象だ。F値1.7、シャッター速度212分の1、焦点距離4.71mm、ISO感度50であった

静物

 ライター稼業ということもあり、いわゆる「ブツ撮り」も視野に入れたい。スタンドを用意しなくても撮影できるので、工夫すれば両手で操作している“風”写真もかんたんに撮れるからだ。

玉川温泉サイダーをLibero Flipで撮影。サイダーの明度の高いビンにフォーカスしている割には、全体的に明るく撮れている

こちらはReno9 Aで撮影。同じ条件(何も設定しないフルオート)で撮影しているのだが、全体的に暗くなってしまった。
もっとも、こちらのほうがレトロな雰囲気が出ているため好きという人もいるかもしれない

廃業した銭湯からタイルや番台、カランや洗面器などを引き取って作ったという屋外施設をLibero Flipで。
Reno9 Aで撮影したものと比べると暖色系に仕上がっており、懐かしい雰囲気を醸し出している。また、タイルに付いた水滴の立体感が表現されている

同じものをReno9 Aで。この日は雨模様だったのだが明るく撮れている。水滴がのっぺりしているのが残念だ

この距離で、龍の彫り物のヒゲの部分までしっかり写しているLibero Flip

こちらはiPhone 14で撮影

おなじみの色鉛筆。Libero Flipでは寒色系が眠たい印象だが、それぞれの色の判別ができるレベルで撮影できている

こちらはReno9 Aで撮影。パキッと撮れている

色鉛筆を寄りで撮影。軸や箔の光沢感をよく捉えていると思うのだがどうだろうか

Reno9 Aを使って寄りで撮影。やはり全体的にパキッと撮れている。

肉眼と変わらない自然な見え方で撮れているLibero Flip

色は濃いが、「赤」と「紅」が潰れてほぼ同じ色に見えてしまっているReno9 A

Libero Flipで撮影。明るめに出てしまうものの、赤色をきれいに撮れる

Libero Flipでは全体的に柔らかい画作りをするからか、動物の毛並みも柔らかそうに撮れている