2024年5月15日に開催されたVisaの年次フォーラムで、パスキー対応などを含むVisaの新機能が紹介されました。

Visa Reinvents the Card, Unveils New Products for Digital Age | Business Wire

https://www.businesswire.com/news/home/20240515563838/en/

◆フレキシブルクレデンシャル

1枚のカードで複数の支払い方法を管理できる機能です。これにより、1枚のカード(資格情報)でデビット、クレジット、ポイント払い、無利息4回払いの「Pay in 4」といった、さまざまな支払い方法にアクセスできるようになります。フレキシブルクレデンシャルはすでにアジア地域でスタートしていて、三井住友カードはクレジット・デビット・ポイント払いをアプリで切り替えられる「フレキシブルペイ機能」という形でリリースしています。

◆タップ・トゥ・エブリシング

Visaはタッチ決済処理端末の増加と機能強化を望み、タッチ決済を強化するSDKを提供する予定としています。これにより買い手側はデビットカードとプリペイドカードで安全な支払いができるようになります。このほか、オンラインショッピングでの本人確認が簡単になり、ウォレットやアプリにカードを追加する際のセキュリティが強化されます。



◆Visa決済パスキーサービス

パスワードの入力なしでスマートフォンの生体認証等でアカウントの認証を行う「パスキー」にVisaが対応します。Visa決済パスキーサービスは、アカウントの認証情報をデバイスに紐づけし、生体認証でデバイスのロックを解除することで、支払いの認証を行うというものになるそうです。

パスキーの最初の導入として、Visaが提供する「Click to Pay」にパスキーが統合されるとのこと。今後、世界中の多くの市場において新しいVisaカードでClick to PayとVisa決済パスキーサービスを有効にし、カードが届いた瞬間からカード情報やパスワードの手入力を減らせるようにするとのことです。

◆口座間決済の合理化

Visaは決済事業者を介さずに口座間決済を行う「A2A決済」のデジタル化・合理化を進めていて、支払い方法の選択肢を増やしているとのこと。今後、顧客と買い手の金融口座をリンクするソリューションをヨーロッパからアメリカに拡大し、顧客がさらにシームレスで保護された体験を享受できるよう支援するとのことです。



◆A2A決済のための保護ソリューション

Visaは年間2000億件以上の取引に含まれる500種類のデータ要素を分析し、リアルタイムで不正を特定して阻止しているとのこと。すでにヨーロッパで提供されているソリューションでは、世界中のリアルタイム決済ネットワークと連携し、AIと重ね合わせ、不正行為の軽減を支援しているそうで、こうした取り組みが強化される予定です。

◆データ保護

Visaは決済情報やアカウント情報をトークン化することでセキュリティを高めています。Visaはこれらのトークンを活用したショッピング体験を向上する新しい方法を提供する予定ですが、データが消費者自身の手でよりよくコントロールできるようになるべきだとの考えから、Visaは消費者自身がデータの共有に同意するかを選べるようにするほか、データがどこで共有されたかを確認できるようにするとのことです。

以上のサービスや新機能は2024年後半に展開される予定です。