住宅購入後のマイホーム、不具合に備えてすべきは「施工状況の確認」?|ARUHI『住宅購入者調査』
家探しや契約などさまざまな過程を経て、いよいよマイホームに引っ越し。「これから新居での暮らしが始まる」というタイミングで、家の不具合を見つけてしまうことがあります。
実際に住宅を購入した人のうち、マイホームに不具合があった人はどのくらいいるのでしょうか。また、不具合に備えて、どのようなことをしておけばよいのでしょうか。ARUHIマガジンが実施した『住宅購入者調査』の結果から見ていきましょう。
引っ越し後、マイホームに不具合があった人は住宅購入者の約2割
過去1年以内に住宅を購入した人に、引っ越し後、マイホームに不具合があったか問うと、79.5%の人が「不具合はなかった」と回答。マイホームに不具合があった人は約2割という結果になりました。
引っ越し後、マイホームに不具合があった人の割合を物件種別で見てみると、マンションで不具合があった人は18.0%なのに対し、戸建てで不具合があった人は23.0%という結果に。戸建てのほうが、不具合があった人がやや多いことが分かりました。
引っ越し後、マイホームに不具合があった人は、どのような不具合があったのでしょうか。具体的な不具合の内容と、不具合に備えて、事前にやっておけばよかったと思うことやアドバイスについて、自由回答で聞いた理由を一部紹介します。
壁の破損から水漏れまで、マイホームに多い不具合は?
【引っ越し時のトラブル】
・引っ越しの際、冷蔵庫が壊れた(30代/女性/新築マンション)
・引っ越し業者による壁紙の傷(30代/女性/建売住宅)
まずは入居の先立ち、引っ越しの作業中に家具や家屋に不具合が生じてしまったケース。引っ越し会社と交渉して修理などの対応を依頼することになりますが、引っ越し早々のできごとにがっかりしてしまいそうです。
【ひび割れや床鳴り】
・壁に亀裂が入っているなど、破損が多かった(20代/女性/注文住宅)
・壁の傷やテレビボード下の割れ(30代/女性/注文住宅)
・外構のコンクリート部分が割れた(40代/男性/注文住宅)
・床鳴り(50代/男性/注文住宅)
注文住宅を中心にマイホームの不具合として多く挙がったのが、ひび割れや床鳴りといったケースでした。木造住宅の場合、温度や湿度の変化により木材が膨張・収縮して発生することが多いため「不具合」とは言い切れないケースが大半です。しかし、構造的な欠陥などを理由に発生するひび割れや床鳴りもあり、心配になってしまう人が多いようです。
【建て付けの悪さ】
・扉の建て付けが悪い(60代/男性/新築マンション)
・玄関ドアが閉まらない(40代/男性/注文住宅)
・キッチンの引き出しがうまく動かない(40代/女性/中古マンション)
【単純な施工ミス】
・クロスの張り間違い(30代/女性/中古マンション)
・エアコンの取り付け位置がずれていた(30代/女性/中古マンション)
【水まわりのトラブル】
・トイレの水栓から水漏れ(30代/女性/注文住宅)
・シャワーの水圧が弱い(40代/男性/中古マンション)
【電気設備の不具合】
・換気扇の不具合(30代/男性/建売住宅)
・浴室のテレビが不調(50代/女性/新築マンション)
・外の電気がつかなかった(40代/女性/注文住宅)
他にも、建具などが思うように動かないといった建て付けの悪さや、オーダーと異なる仕上がりになっていたケース、水漏れなど水まわりのトラブル、電気設備の不具合も挙がりました。なかには「雨漏りがあった」など、日常生活に支障をきたす不具合が発生したケースもありました。
不具合に備えて、事前にすべき対策は?
【依頼する施工会社を慎重に選ぶ】
・全体の業者の口コミをしっかり下調べする(60代/男性/新築マンション)
・ハウスメーカーのスタッフの質を確認してから契約をすればよかった(30代/女性/注文住宅)
・ちゃんとしたメーカーにすれば良かった(60代/女性/注文住宅)
・住んでみないと気づけない部分もあるからアフターケアしてくれる施工会社を選ぶべき(30代/女性/新築マンション)
・保証の期間は必ずチェック(50代/男性/注文住宅)
事前にすべき対策として、大前提として信頼できる施工会社を選ぶことが大切です。施工会社の実績やスタッフの対応は、口コミなどをチェックしておくことで予測することができたと感じている人が多いようです。
また、施工会社選びの際はアフターサービスの内容を確認しておくことが重要だという声もありました。アフターサービスが充実している施工会社を選べば、万が一不具合が生じても、修繕などの対応をしてもらうことが可能です。何年間、どのような保証を受けることができるのか、事前に確認しておきましょう。
【施工状況を確認する】
・とにかくまめに現場へ行く(60代/女性/注文住宅)
・業者がいたときに確認(40代/女性/注文住宅)
・作業完了後に、業者と確認するべきだった(30代/女性/注文住宅)
・完成して内見したときにもっと細かく見ておけばよかった(30代/女性/注文住宅)
・内覧を一回しかしなかったので何回も見れば良かった(30代/女性/中古マンション)
【施工担当者と話し合う】
・しっかりと建築士と話す(20代/女性/注文住宅)
・もっとちゃんと細かく建築士さんに聞いておけばよかった(40代/女性/注文住宅)
・最終的な図面は念入りに確認すべきで、そのためには検討中に出てきた要点をまとめてメモしておくと良さそう(50代/男性/注文住宅)
また、大半の住宅購入者が挙げたのが、施工状況をしっかりと確認すること。そのタイミングに関しては、施工中・施工後・完成後・引渡し前などさまざまな意見があり、こまめな確認が欠かせないようです。
施工前に担当者とコミュニケーションを密にとり、完成イメージに齟齬がないか確認することも大切です。打ち合わせの内容はメモをとっておくことで「言った・言わない」で揉めるリスクを軽減することができます。
まとめ
今回の調査結果では、引っ越し後に住宅購入者の約2割が「不具合があった」と回答しています。不具合の発生を防ぐにはまず、住宅の販売会社や施工会社の担当者とコミュニケーションを密にとり、希望を正確に共有することが大切です。そして、注文住宅であれば施工の段階から現地でこまめに確認をすること、それ以外の住宅も引き渡しの前に目で見て確認することで、住んでみてから不具合が見つかるリスクを軽減できます。
なお、新築住宅の場合は一般的に、引き渡しのタイミングから10年間は法律により「瑕疵担保責任」が定められています。雨漏りや給排水設備の故障といった瑕疵があった場合、施工会社は10年以内であれば無償での修理を行う義務があることを覚えておきましょう。
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【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:過去1年以内に住宅ローンを組んで住宅購入をした25~60歳の男女(自身または配偶者が住宅購入をした人。親やその他の親族が購入した人は除く)
調査期間:2023年12月19日~21日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング