5年ぶりの日本球界復帰が濃厚 巨人入りが有力視される筒香嘉智の陰で昨年ブレイクした若手は正念場か

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秋広の奮起が期待される(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 米大リーグ・ジャイアンツから自由契約になった筒香嘉智が5年ぶりに日本球界復帰が濃厚となってきた。巨人入りを有力視する一部メディアの報道もあるが、実際に巨人としては筒香は補強ポイントに合致する選手だと言えるだろう。

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 巨人は現在、4番・岡本和真、5番・坂本勇人と中軸を担っている打者がいずれも右打ち。メジャー通算178本塁打をマークした実績を持ち、左の長距離砲として期待されたルーグネッド・オドーアは開幕前に退団した。開幕戦に「3番・右翼」で出場してホームランを放った梶谷隆幸は、過去に手術した左ヒザに痛みを覚えたことを理由に登録抹消。5日からのDeNAとの3連戦で3試合全てで3番に座った丸佳浩は、7日の試合で負傷交代している。

 左の強打者が次々とアクシデントに見舞われ、なかなか左右のバランスが良いクリーンアップを組むことができていない。そのため、筒香は今の巨人として補強ポイントに合致するともいえる。

 とはいえ、もし筒香が加入すれば、出場機会を減らしかねない選手がいる。今季がプロ4年目シーズンを迎える秋広優人だ。秋広は昨シーズン、4試合連続ホームランを記録するなど、一時は3番に固定されて出場を続け、最終的には打率.273、10本塁打、41打点を記録。今後のさらなる飛躍を予感させる数字を残した。

 スタメン候補として期待された秋広ではあったが、今シーズンのオープン戦では打率.125と不振。開幕を1軍で迎えることはできず、今日まで2軍で出場を続けているが、成績は打率.220、0本塁打、5打点と精彩を欠いている。オドーア退団や梶谷離脱など、1軍昇格のチャンスは開幕からここまで何度かあったが声はかからなかった。

 秋広は筒香と同じ左打者。ポジションがファーストや外野というところも筒香と被る。仮に筒香が入団した場合、さらにし烈なレギュラー争いが予想される。このまま低迷が続くようでは、なかなか上からお呼びがかからない事態も予想される。松井秀喜氏もつけた背番号「55」を託されたのも、非凡な才能を認められてこそのこと。現在ファームで調整を続けるのも、阿部慎之助監督、桑田真澄2軍監督含め、とにかく秋広を大きく育てたいとチーム全体の意思統一の上で成長を見守っている。苦しい立場に置かれた秋広の巻き返しに期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]