2カード連続負け越しの阪神 低迷する打撃陣に球界OBが苦言「上位陣で点の取れる打線を」

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打率1割台の大山や佐藤の奮起が阪神浮上の鍵を握っているのは間違いない(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 4月4日、阪神はDeNAに2‐3で敗れ、今季初の連勝とはならなかった。4回に佐藤輝明や梅野隆太郎などの連打から先制点が生まれ、さらに追加点を挙げたものの、好投を続けていた阪神先発の西勇輝がつかまり、6回に3点を奪われ逆転を許した。その後、追いつくことができず、阪神は2カード連続で負け越しとなった。

【動画】「もっと勢いでとれ」2024年4月4日【 阪神 vs DeNA 】 佐藤義則の眼

 阪神はこのゲーム、毎回のように安打や四球などでランナーを出していたが、得点は4回に挙げた2点止り。今季初登板の中川颯をはじめ、DeNA投手陣を攻めあぐねた。開幕から続く打線の迫力不足をこの試合でも露呈した形となり、2カードを終えた時点で阪神の得点数(15点)はセ・リーグで最も少なく、順位も最下位に沈んでいる。

 ラインナップでは、近本光司や前川右京が好調を維持するものの、その他の打者は打率2割にも届かない選手が少なくない。特に、主軸の大山悠輔や、今季さらなる開花が期待されている佐藤輝明がいずれも1割台、本塁打も出ていないなど低調なパフォーマンスが続いている。

 そして、この両主砲の不振をはじめ、阪神打線のここまでの内容を不安視する球界OBの声も聞こえてきている。阪神や日本ハム、ソフトバンクなどで投手コーチを務めた佐藤義則氏が自身のYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』の中で、この日のゲーム内容や、今季の阪神打撃陣についての見解を語った。

 4月4日配信となった「『もっと勢いでとれ』2024年4月4日【 阪神 vs DeNA 】」の中で、佐藤氏は「(5点を取って勝利した)昨日の試合とは違って、今日はチャンスでヒットが出なかった」とゲームの印象を語っている。

 その上で、大山、佐藤輝のバッティングに言及。この日ノーヒットに終わった大山には「まだ速いボールに対して、大山のスイングができていないように見える」と指摘。また佐藤輝にも「一生懸命にバットを振っているけど、前にボールが飛んでいない」と振り返っている。

 さらに、相手打線にも話題が及んでおり、「牧(秀悟)なんかはセンターや右方向へのバッティングをしている。宮粼(敏郎)もこの3連戦でのヒットはほとんどがライト方向に打っている。やっぱり強引なスイングではないことで、ヒットにもなるしチャンスメイクもできている」などと語り、この日2人で5安打をマークした主軸の内容を評した。

 好調DeNA打線との勢いの差も指摘する佐藤氏は、この日の結果を踏まえここまでの阪神の戦いについて、「投手がKOされているわけでもないし、ゲームを作れている。やはり今年は打線がどこまで奮起できるかがポイント」と分析。加えて、下位打線の出塁から得点が生まれていた去年の攻撃パターンは警戒されていると述べ、「今季は1・2番が出て、3・4番で還すという、上位打線で点を取れるようになっていく必要がある」と見通している。

 開幕から6試合を終え、阪神はまだ昨季の王者としての姿を取り戻せていない。投打の歯車を噛み合わせるためにも、大山、佐藤輝をはじめ、主力打者の復調が待たれる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]