トヨタ「ハイエース」中古車価格なぜ高騰? ディーゼル車が高額で取引されている!? 好査定の条件は?
ハイエースのディーゼル車が高値で取引!? なぜ?
トヨタ「ハイエース」は、ワンボックス型商用バンの代表的存在で、長きにわたって支持されています。
日本で現在販売されているのは2004年にデビューした5代目(200系)。商用車として仕事で使用されるだけでなく、最近は個人ユーザーが車中泊やアウトドアレジャーなどの趣味で使われることも多くなっています。
国内だけでなく海外でも人気のハイエースは、リセールバリューが高いクルマのひとつとしても知られているのですが、そんなハイエースの中古車価格がここ最近とくに高騰しているようです。ハイエースに何があったのでしょうか。
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ハイエースにはガソリン車とディーゼル車がラインナップされているのですが、相場が高騰しているのはディーゼル車です。
なぜディーゼル車のハイエースの中古車価格が高騰しているのかというと、トヨタグループの「豊田自動織機開発」が生産するディーゼルエンジンの認証不正問題が関係しています。
国土交通省への型式指定申請は、エンジン出力試験を豊田自動織機開発が担っていましたが、出力試験時に量産用とは異なる「ECU(自動車機能を制御する電子部品)」を用いて測定し、測定値が安定するよう操作が行われていたとのこと。
この不正が発覚してから、同社が製造するディーゼルエンジンが一時生産停止になったのですが、これにハイエースに搭載される「1GDエンジン」が含まれていました。
その結果、1月に一部改良されたばかりの新型ハイエースのディーゼル車も出荷停止となり、新たに設定された「アースカラーパッケージ」の生産ももちろん中止されたのです。
そして中古車の需要と供給のバランスが崩れて、相場が高騰する事態となったというわけです。
では、気になるハイエースの中古車相場はどうなっているのでしょうか。中古車販売店店長のT氏に話を聞いてみました。
「現在、ディーゼル車の購入を希望する人が多いので、中古車市場でもすぐに買い手が付き、高額で取引されています。
ハイエースで高額査定が狙えるのは、4WD、パワースライドドア、パノラマミックモニター、デジタルインナーミラーの4点が揃っている車両です。
車両の状態にもよりますが、これらのアイテムが装備されていれば、通常時よりも10〜15万円ほど高い金額を提示できると考えています」
「ハイエースのディーゼルエンジン出荷停止を受けて、新型登場からわずか2週間で受注停止したディーラーもあるようです。
そのため、新たに登場したアースカラーパッケージのディーゼル車が中古車市場では貴重なモデルとなり、高額な査定額を出せる可能性があります」(中古車店店長 T氏)
さすがにせっかく手に入れた最新のハイエースをすぐに手放す人は少ないかもしれませんが、アースカラーパッケージは俗にいう「プレ値」(プレミアム価格)での買い取りが期待できるとのことです。
ハイエースを専門で扱う専門店にも話を聞いてみました。
「現在もディーゼルモデルは価格高騰していますが、ガソリン車も多少の値上がりが見られます。
新型のアースカラーパッケージは中古車市場ではまだ台数が少なく、ガソリン車は400万円以上、ディーゼル車は450万円以上になると予測しています。
生産が再開しても市場に出回るまでは価格は上がりそうです」
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2月27日にディーゼルエンジンの出荷停止を解除することが国土交通省より公表され、早期の受注再開および新車納車が望まれます。
一方、新車の納期がいまだに未定で、中古車購入に方向転換するユーザーも今後増えるだろうとの予想も。しばらくの間は新車・中古車ともにハイエースが入手しづらい状況が続くものと思われます。