(漫画:©︎三田紀房/コルク)

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第103回は、受験前日に眠れなくなったときに、どう対処すればよいのかについてお話しします。

大事な試験の前、緊張して眠れなくなる


国立大学の2次試験まで、あと5日間となりました。

泣いても笑ってもあと5日間で、自分の人生を左右するかもしれない試験が行われるということで、多くの受験生が不安な夜を過ごしていることと思います。われわれも何人もの東大志望の生徒と向き合っていて、最後の追い込みを見守っているところです。

さて、そんな中でよく受験生から聞かれる質問が、「受験前日、眠れなかったらどうすればいい?」というものです。

大事な試験の前や、大きな大会の前など、人生に一度の「ここぞ」というタイミングで、明日のことが気になって、緊張して眠れなくなってしまう人というのは、とても多いものです。

東大合格者は、そんな緊張状態の中で、どんなふうに受験を乗り切ったのでしょうか? 今回は、「試験前日、眠れないときの対処法」をお話ししたいと思います。

まずは『ドラゴン桜2』のワンシーン、東大2次試験の2日前の出来事をご覧ください。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください





(漫画:©︎三田紀房/コルク)




(漫画:©︎三田紀房/コルク)



(漫画:©︎三田紀房/コルク)

いかがでしたか?「人間なんて、だいたい一緒!」という言葉は、とても示唆的だと思います。眠れないときに、いちばんのストレスになってしまうのは、「今眠れなかったら、ほかの受験生たちと差がついてしまうんじゃないか」と思うことです。

「ほかの受験生はみんな眠れていて、自分だけが寝不足だったら、明日は自分だけディスアドバンテージを背負った状態で受験することになって、不合格になってしまうんじゃないか」。そんな焦りから、眠れないことにストレスを感じ、もっと眠れなくなってしまいます。

そんな中で「眠れないから勉強しよう」と考えて、徹夜で勉強してしまうと、もっと体力が奪われてしまって、試験会場に行くときにはヘロヘロになってしまいます。

ですがそんなときこそ、「人間なんて、だいたい一緒!」と開き直るのです。


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眠れないほど緊張しているというのは、ほかの人にも当てはまることだといえます。実際、東大生にアンケートを取った結果、東大入試の前に寝不足だったと答える人は過半数を超えています。つまり、多少眠れないくらいで、ほかの受験生と差がつくことはないのです。

そう考えて焦らないようにすることで、緊張がほぐれて眠りにつくこともできるかもしれません。部屋を暗くして、暖かくして、布団に入ること。眠れないからといって勉強したり、スマホをいじったりしないこと。睡眠導入の音楽をYouTubeで流したりして、眠れなくてもとにかく目をつぶってみること。そうすれば、だんだん眠くなっていくものです。

試験当日のイメージトレーニングをする

また、眠れないときには布団の中でやるべきことがあります。それは、イメージトレーニングです。

「明日の1時間目は国語だったな。国語で、過去問で解いたようなこんな問題が出てきたら、こう対処しよう」「2時間目の数学では、70点くらい取りたいから、まずは第1問で点をこれくらい取れるようにして……」というふうに、次の日の入試でどう立ち回るかということを何度も繰り返しイメージするのです。

試験会場に行って、試験問題が配られて、どの問題をどんな順番で解くのかを考えておく。不測の事態が発生したときにどう対処するのか、もし選択肢で迷ったら何番を選ぶのか、難問があったときにどうするのか、しっかり考えておくのです。

布団に入って頭の中で何度も試験のシミュレーションをして、次の日の試験に備えること。これが重要だと言えます。

いかがでしょうか? 最後はもう、自分を信じて戦うしかありません。とにかく全力を出して、戦い抜こうとすることが重要です。ぜひ頑張ってください!

受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。

(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)