エンジニアのロバート・グラハム氏が「搭乗した飛行機にインターネットをリセットするボタンがあった」ことをXで報告しています。



グラハム氏は搭乗した飛行機内でインターネットに接続できるようにするため、Wi-Fiに8時間接続できるリースプランを契約しました。しかし、実際に機内のWi-Fiに接続しようとしてもうまくいかなかったとのこと。

これはDHCPでリースするIPアドレスが足りなくなったのではないか?と予想したグラハム氏は、LAN内のIPアドレスとMACアドレスを取得するARPスキャンを実行したとのこと。その結果、機内LAN上に55台のデバイスがあり、そのほとんどがスマートフォンだったことが判明しました。



実はiOSとAndroidはどちらもプライバシー保護の目的でMACアドレスをランダム化する仕様がデフォルトとなっていて、同じスマートフォンでもWi-Fiに接続するたびに新しいIPアドレスが割り当てられます。そのため、接続しているのは55台のデバイスでも、8時間の間にリース用に割り当て可能なIPアドレスはあっという間に使い果たしてしまうというわけです。

グラハム氏によると、DHCPサーバーの割り当てるIPアドレスが足りなくなってもクライアントには応答も送られないので、無線LANが使えなくなった原因がIPアドレス不足かどうかは確証が得られないとのこと。それでも、他の人はDHCPサーバーからIPアドレスを割り当てられているのに対して自分だけが割り当てられていないことから、グラハム氏はIPアドレスが足りなくなってしまったことが機内Wi-Fiに接続できない原因だと推測しました。

そこで、グラハム氏は客室乗務員に「Wi-Fiが使えません」と申告すると、客室乗務員は飛行機の出入口付近にあるボタンを押しました。客室乗務員によると、客から「インターネットに接続できない」と苦情が出るたびに、そのボタンを押すとのこと。



客室乗務員が押したボタンをよく見ると「インターネットリセット」と書かれていました。このボタンを押すことでDHCPサーバーで割り当てられているIPアドレスが解放される模様。



グラハム氏は、機内Wi-FiでのIPアドレス枯渇問題の解決策として、「飛行機でのIPアドレスリースを1時間間隔など、思い切って短くすること」「リースできるIPアドレスの数を大幅に増やすこと」を挙げています。