いよいよ岸田内閣の支持率が「底割れ」を始めたようだ。

 時事通信が10月6〜9日におこなった世論調査では、内閣支持率が過去最低を更新する26.3%だった。「政権維持の『危険水域』とされる2割台を記録するのは3カ月連続」のコメントとともにこのニュースが報じられると、自民党内に衝撃が走ったが、さらに10月16日、各マスコミの世論調査結果が公表され、「政権発足以来最低」「過去最低」という惨憺たる結果が、岸田文雄首相を直撃することになった。

 まずはFNNの調査。内閣支持率は9月より3.3ポイント下がり、政権発足以来過去最低の35.6%。「支持しない」は59.6%になった。

「岸田首相が物価高対策などや賃上げの継続などを目的に、10月中にとりまとめるとする経済対策については、『期待する』が34.9%、『期待しない』が62.2%でした。また、税収が当初の予定より増えた分を『国民に還元する』方法では『減税』が51.7%、『給付』が16.1%、『財政赤字の縮小』が29.9%でした」(政治担当記者)

 読売新聞社の結果は、内閣支持率が34%。9月の調査結果(35%)から微減だが、こちらも岸田内閣発足以降で最低。不支持率は49%だった。

 また、毎日新聞は内閣支持率を25%と報じている。これは発足以来最低だった、9月実施の前回調査と同じ数字。支持率が30%を下回るのは4カ月連続で、不支持率も前回調査と同じ68%だった。

 共同通信社は、前回9月調査から7.5ポイント下落して、内閣支持率は32.3%。やはり内閣発足以降で過去最低だ。不支持率も52.5%(前回39.7%)で、過去最高だった。

「この調査でも『経済対策に期待しない』は『あまり期待しない』を含めて58.6%になっています。やはり政権の経済対策に対する不満が大きいようです」(前出・政治担当記者)

 さすがにこれだけ「過去最低」という見出しが並ぶと、有権者の印象が悪くなり、雪崩を打つようにさらに支持率が下がる危険性があり、「官邸も危機感を持っています」(自民党ベテラン秘書)という。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は、支持率が低い要因を2つあげる。

「ひとつは、物価高対策、景気対策が効果を上げていないことへの不満です。これまで、税金を湯水のようにつぎ込んできましたが、成功していません。もうひとつは、岸田さん自身のキャラクター。下を向いて原稿を読むだけで、発信力が感じられません。“体温”が伝わってこないんです。

 麻生太郎副総裁も言っていましたが『なんとなく、きわめて誠実そうに見える顔。紳士そうに見えるあの顔がウケる』ということで、国民もそう思っていたと思うんです。だけどその期待は裏切られました。裏切られた分、失望が大きくなったのでしょう」

 ニュースサイトのコメント欄には《増税を前面に押し出している岸田内閣を支持する国民が32%もいることが信じられない》《岸田さん本人は支持率とか見ないように現実逃避しているのでは》《3人に1人が支持してるって事ですよね? 今現在、実質賃金17ヶ月マイナス、物価高で庶民の生活は厳しいのに増税を唱えて支持してるって大丈夫ですか?》など、それでも政権を支持する人が一定数いることへ、驚きの声が寄せられていた。

 首相には、これ以上の“裏切り”は見せてほしくないものだが……。