現地時間26日、アメリカ・サラトガ競馬場で行われたH.アレンジャーケンスメモリアルS(3歳・米G1・ダ7F)は、道中最後方を進んだI.オルティスJr.騎手騎乗の5番人気ワンインヴァーミリオン(One in Vermillion)が徐々に進出し、直線で各馬をとらえて勝利した。勝ちタイムは1分22秒6(重)。

 ワンインヴァーミリオンは父Army Mule、母Given Star、母の父Any Given Saturdayという血統。4月のサンタアニタダービーでは、日本のマンダリンヒーローとも対決している(5着)。今回がデビュー12戦目で、待望の初タイトルとなった。

 なお、このレースでは直線で大きなアクシデントが発生した。後続に約5馬身のリードを保ち先頭に立っていた1番人気のニューヨークサンダー(New York Thunder)がゴール直前で突然転倒し競走中止。同馬は左前脚の怪我により、安楽死の処置がとられた。

 ニューヨークサンダーは父Nyquist、母Start Over、母の父Midshipmanという血統の3歳牡馬。デビューから無傷の4連勝を飾り、今回がG1初挑戦だった。

 サラトガ競馬場では、今月5日に行われたテストSでも無傷5連勝中だったメイプルリーフメル(Maple Leaf Mel)が直線で転倒、競走中止し安楽死となったばかり。

 勝利したワンインヴァーミリオンを管理するE.マルティネス調教師は重賞初制覇となったが笑顔はなく、現地メディアに対し「悲しい。馬や騎手に心が痛む」と語った。また、同馬の鞍上I.オルティスJr.騎手も「悲しいです」と切り出し、「このような形で勝ちたくはなかった。言葉を尽くせない。悲しく思う」と複雑な心境を吐露している。