キーンランドCに出走予定のナムラクレア(c)netkeiba.com

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 サマースプリントシリーズ第5戦であると同時に、優勝馬にはスプリンターズSへの優先出走権が付与される1戦。GIII格付けとはいえ、別定重量戦だけに比較的紛れが少ない舞台設定のはずだが1番人気馬は【2-3-1-4】。3番人気以内馬は【5-7-3-15】。札幌競馬場は先週からCコースへと移ったばかり。ある程度の位置は確保したいところだが、スプリント戦はわずかなアクシデントが勝敗を大きく左右する。当日の馬場状態も含めて注意したいところだ。

 ◎ナムラクレアは今春の高松宮記念2着で、全4勝は3つの重賞含めすべて1200m。前走のヴィクトリアマイルは8着。桜花賞3着があるとはいえ、本質期にはスピードと瞬発力で勝負するスプリンターなので、スタミナと底力が要求される東京マイル戦は厳しい条件だった。札幌競馬場は初めてだが、同じ洋芝コースで行われた函館スプリントSで優勝経験があり、どんな位置からでも競馬ができる器用さを持ち合わせている。

 〇トウシンマカオは京阪杯の優勝馬。芝1600mの新馬戦に勝ち、京王杯2歳S2着。NHKマイルカップまではマイル路線を歩んでいたが、その後はスプリントに転じて昨年の本レースは4着だった。いつも枠順に恵まれない馬で、うまく脚を溜められないレースを続けているが、それでも1200m戦で大きく崩れたのは不良馬場の高松宮記念のみ。どうしてもハナを切りたい馬不在の短距離戦。この馬の瞬発力は怖い。

 ▲シュバルツカイザーはしらかばSで札幌競馬場芝1200mのコースレコードを叩き出している。父ダークエンジェルは欧州スプリント界の名種牡馬で母ファッショナブルは2015年の愛オークス2着ジャックネイラーの半妹。祖母ファインディテイルの半姉には96年に米芝牝馬チャンピオンとなったワンデスタがいるファミリー。スピードと底力を兼ね備えた力強いスプリンターを連想させる血統だ。

 △キミワクイーンは函館スプリントS優勝馬。一昨年夏の新馬戦を勝ったあとは桜花賞路線を目指したが、出走叶わずに断念。その後はスプリント路線に転じて【3-2-0-1】。元々は先行力を武器としていた馬だが、前走の函館スプリントSでは控える競馬から強烈な末脚を繰り出した。母系も代々スプリンター色の濃い血統で、本馬は洋芝コース2戦2勝。まだ伸びしろもありそうで楽しみの大きい馬だ。

 △ウインマーベルは昨年の2着馬で、その後スプリンターズSでもクビ差2着。ブリンカー着用後は安定した成績でスプリント界の頂点を目指せるところまでやってきた。今年に入ってからのシルクロードS、高松宮記念はいずれも大外枠でレースがしにくかった。昨年2着の実績を持ち出すまでもなく洋芝は得意と思われる。侮れない。高松宮記念優勝馬△ナランフレグと、初めての芝1200m戦で高い適性を示した△ゾンニッヒも押さえておきたい。