阪神・岡田監督(写真:Yonhap/アフロ)

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後半戦で失速する昨年までの面影はない。阪神が2023年8月23日の中日戦(京セラドーム)で7−2と快勝。京セラドームは今季8戦全勝で貯金を今季最多の26に増やし、優勝へのマジックを24に減らした。

「今年は票が割れそう」の声も

2位・広島と7ゲーム差。阪神の強力投手陣を考えると大きく失速することは考えづらい。少し気が早いかもしれないが、気になるのはシーズンMVPの行方だ。記者投票によって選出される方式で、セリーグは村上宗隆(ヤクルト)、パリーグは山本由伸(オリックス)が21、22年と2年連続で受賞している。

「リーグ優勝したチームから選出される可能性が高いですが、今年は票が割れそうです。近本光司、大竹耕太郎、村上頌樹、岩崎優が有力候補になるでしょう。期待をはるかに超える活躍をした観点から見れば大竹、村上のインパクトが強いですが、リードオフマンとして打線を牽引してきた近本、セットアッパーから守護神に回って大活躍している岩崎も替えが利かない選手です。投票する記者は誰を選ぶか迷うでしょう」(スポーツ紙記者)

ソフトバンクで伸び悩んでいた大竹は、昨オフに現役ドラフトで移籍。16試合登板で9勝1敗、防御率2.04と先発の中心として稼働している。昨季まで白星がなかった大卒3年目の村上も17試合登板で7勝5敗1ホールド、防御率1.99と大ブレーク。両投手は初のタイトルを狙える位置につけている。そして、近本は101試合出場で打率.289、7本塁打、48打点をマーク。22盗塁、得点圏打率.389はリーグトップだ。チャンスメークだけでなく、ポイントゲッターとしての活躍が光る。

ブルペン陣を支える岩崎の貢献度も高い。48試合登板で3勝1敗25セーブ12ホールド、防御率0.78。セットアッパーを務めていたが、湯浅京己の離脱で守護神に。チーム事情で昨年から2年連続で抑えへの配置転換は心身で負担が大きいはずだが、抜群の安定感を見せている。

全員野球で白星を積み重ねる阪神。18年ぶりの頂点に立ち、シーズンMVPに選ばれる選手は――。(中町顕吾)