天皇皇后両陛下は4年ぶりに「マスクなし」で全国戦没者追悼式に参列した

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78回目の終戦の日にあたる2023年8月15日、東京・北の丸公園の日本武道館で政府主催の全国戦没者追悼式が行われた。新型コロナウイルスの5類移行後の挙行は初めて。

天皇陛下の「おことば」から4年ぶりに「新型コロナ」の文言が消え、19年の「コロナ前」とほぼ同じ文言に戻った。天皇皇后両陛下は20〜22年の3年連続でマスクを着用して参列していたが、今回は「マスクなし」の参列だった。

「コロナ前」と比較して「私たち皆で心を合わせ」の段落が加わる

22年の「おことば」では、

「私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による様々な困難に直面していますが、私たち皆が心を一つにし、力を合わせてこの難しい状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」

と、20年から3年連続でコロナ禍に言及。それが23年は

「これからも、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います」

となった。23年は「コロナ前」の19年とほぼ同じ内容で、大きな違いは、上記の「これからも〜」の段落が加わった点だ。

岸田文雄首相が「おことば」に先だって述べた式辞は22年とほぼ同じ内容で、「歴史の教訓を深く胸に刻み」「未だ争いが絶えることのない世界にあって」「積極的平和主義の旗の下」といったキーワードを引き続き盛り込んだ。目立つ変化は遺骨収集事業への言及で、22年は

「一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くしてまいります」

となっていた表現が

「国の責務として、ご遺骨の収集を集中的に実施し、一日も早くふるさとにお迎えできるよう、引き続き、全力を尽くしてまいります」

になった。

台風7号で参列見送り相次ぐ

22年に参列した遺族は569人。23年は8月7日時点で2040人の参列を予定していたが、台風7号の影響で参列を取りやめる自治体が相次ぎ、約1200人にとどまった。

式典には天皇皇后両陛下、岸田氏、104歳から7歳までの遺族らが参列し、日中戦争と第2次世界大戦で犠牲になった約310万人を追悼した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)