物議を醸した「こどもまんなか『家族の日』写真コンクール」

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こども家庭庁は2023年8月9日、「家族の日」に合わせて開催する写真コンクールの応募要領を一部変更した。

コンクールをめぐっては、入賞作品を応募者の居住地や実名とともに公式サイトに掲載すると告知されており、SNSで「このご時世にプライバシーさらすんだ」などと批判的な声が寄せられていた。

「時代を知らなさすぎるのなに?」

話題になったのは「こどもまんなか『家族の日』写真コンクール」で、8月1日から9月4日にかけて「子育てを支える家族や地域の大切さ」に関する写真を募集している。プレスリリースによれば、「安心して子供を産み育てることができる社会づくりの機運を高めること」を目的としており、優秀な作品は表彰するという。内閣府が2007年に11月第3日曜日を「家族の日」と定めて以降、同様の取り組みが続けられている。

公式サイトでは「入賞作品の発表では、こども家庭庁ホームページに、作品のタイトル、お住まいの都道府県、実名を掲載します。匿名、アカウント名等による発表はいたしません」と案内されていた。

実名や居住地をサイトに公開するという応募要領に、X(旧ツイッター)では4日頃から「応募はかなり危険」「子供の写真はネットに載せないようにしようという時代に、ホームページに写真と居住地と実名を掲載って、時代を知らなさすぎるのなに?」などと不安な声が広がった。

こうした批判を受けてか、10日現在は次のように修正されている。

「入賞作品の発表では、こども家庭庁ホームページに、作品のタイトル、ご応募名(匿名やアカウント名等でも可)を掲載させていただきます」

さらに入賞作品のサイト掲載について、個人が特定されないよう加工を希望する場合、申し出があれば対応可能だという。また応募後に、応募を取り下げることも可能と追記された。

被写体の同意をとるよう呼びかけ

被写体や権利関係についても、次の2点が加えられた。

「人物の写真をご応募いただく場合は、事前に本人(被写体)の方の同意を得たうえでご応募ください。また、被写体が未成年の場合は、保護者の同意を得たうえでご応募いただくとともに、必ずご本人に写真コンクールの趣旨を説明し、応募することに対するご本人の気持ちや意見を尊重していただくようお願いいたします」
「応募に当たっては、他人の著作権や肖像権を侵害しないようご注意ください。二次利用や無断転載等も禁止しております。上記を守っていただけない場合、肖像権上の責任等が発生することをご承知おきいただきますようお願い申し上げます」

当初掲載されていた次の一文は削除されている。

「被写体等に対する肖像権等については、応募者の責任において承諾を得るものとし、こども家庭庁は応募作品に係る肖像権侵害、プライバシー侵害、著作権侵害等の責任を負いません」