原油価格の高騰から始まった、食費や日用雑貨、光熱費の価格高騰。これまでの家計管理では苦しくなる一方かもしれません。そこで、新しい家計の黄金比を、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんと人気漫画家のまめさんに教えてもらいました。

人気FP・横山光昭さんに聞いた!光熱費爆上がりも関係ない「家計の最強黄金比」

昨年からのインフレで、食費や日用雑費、光熱費など生活に欠かせない支出が爆上がり中。貯蓄を死守するための「家計の黄金比」を家計管理のプロ、FPの横山さんが教えます!

●物価高での年収600万円世帯の理想の収支バランス

物価高でも貯蓄の割合は月収の10%は死守したい。「光熱費などが爆上がりしても、貯蓄をすることに変わりはありません。上の割合を自分の家計に当てはめて、多い支出は見直しを」

●削るしかない費目:なくてもなんとかなるもの

交際費・娯楽費

本当に会いたい人だけに会い、行きたい場所にだけ行く意識を徹底し、出費減&満足度をアップ。「交際費+娯楽費で月収の2%に。2つとも月で増減があるので、3か月単位で予算管理するとうまくいきます」

●削るべきでない費目:将来への投資と自由

教育費・こづかい

子どもの塾代や受験費用などはもちろん、仕事のステップアップのための習い事も必要経費。「楽しみのために使うこづかいも、心のうるおいとして絶対に必要。ただし月収の1割程度におさめて」

●増やすしかない費目:命にかかわるもの

食費・日用雑費

食費や日用雑費は家族の健康に直結するので、むやみな節約はNG。「食費は値上げ前の1.2倍程度まで予算を増やして月収の18%以内に、日用雑費は月収の2.5%以内を目指しましょう」

光熱費

猛暑の夏、エアコンを我慢すると熱中症や体調不良の原因に。「光熱費は月収の5.5〜6%が本来の理想ですが、値上がりしている今は月収の6.5%以内を目標に」。家族みんなで小まめな節約の実践を!

●最強黄金比を実現して、インフレに負けない家計に

毎月のように食品や日用品が値上げされ、光熱費も上昇して家計を圧迫! 「でも、『貯蓄できなくても仕方ない』と諦めてはダメ。将来も安心して暮らすために、月収の1割の貯蓄を死守しましょう」と横山さん。

実現のために、横山さんがすすめる家計の最強黄金比が上のグラフです。「黄金比に近づけるコツは、生きていくために必要な支出はしっかり多めの予算をとり、なくてもなんとかなる予算を削る“メリハリ”です。具体的には、食費や日用雑費はこれまでより予算を増やし、その分交際費や娯楽費を抑えましょう」

さらに、見直し効果が高い固定費も、徹底してムダを削りたいポイント。「子どもが大学生になれば、保険の死亡保障は減らしても大丈夫。サブブランドスマホで通信費を抑えた人も、格安スマホにすればさらに出費カットが可能。ほんの数百円のムダを見過ごさない心がけが次の見直しにつながって、貯蓄をキープできるようになりますよ」

リアルな金額はどれくらい?<手取り月収40万円家庭の場合>

・手取り月収40万円・大学生と高校生の子ども1人ずつ家庭の場合

値上がりの激しい食費や日用雑費、光熱費は、予算を合計1万8000円多めに確保し、その分交際費や娯楽費をギュッと縮小。

「実際には子どもの教育費が4万円(月収の10%)を超える家庭も多いと思いますが、貯蓄のために、大事な支出、削ってもいい支出を家族で話し合ってみて。酒類やお菓子など嗜好品はこづかいから出す、子どもが大学生ならスマホ料金はバイト代から出すなど、家族の協力体制をつくれば百人力です」

●手取り月収40万円夫婦2人世帯の理想の収支バランス

・夫婦2人世帯は…老後資金が不安なら家計の23%の貯蓄が理想的

子どもがいなかったり、いても独立して夫婦2人の世帯なら、月収の23%以上は貯蓄を。「家計に余裕がある分『自分へのごほうび』などにお金をかけがちなので、給料が出たら先取りで貯めましょう。趣味や特技を生かしてネットなどで稼げる今の時代、在宅でのプチ稼ぎを始めた人も多いですよ。老後のゆとりに直結します」

電気代・ガス代の補助は、2023年1月使用分(2月検針分)から9月使用分(10月検針分)まで。8月末までは、電気代は一般家庭で1kWh当たり7円、ガス代は1m2当たり30円が補助される。9月使用分は補助額が半減される。