ロボット掃除機は “忙しいけど部屋をきれいにしたい人” の必需品。初級機は掃除の正確性が向上し、上級機は吸引・水拭きに自動ゴミ収集・モップ自動洗浄機能も装備するなど進化がスゴい。そこで本記事では、家電ライターの平島憲一郎さんに、ロボット掃除機の初級〜上級モデルの性能を比較してもらった。購入時のチェックポイントにも注目だ。

※こちらは「GetNavi」 2023年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が解説します

家電ライター 平島憲一郎さん
調達・購買コンサルタント。コスト削減や仕入れの専門家として、テレビ・ラジオなど様々なメディアで活躍している。

 

“価格”に加え、自分が求める“タイパの質”を吟味して選ぶ

昨今、ロボット掃除機は床掃除の肩代わりツールとして着実に家庭に浸透しつつある。ロボット掃除機を選ぶ際は、製品のグレード(価格帯)を意識しつつ、自分が掃除のどんな “時短・時産” を求めているか見極める必要がある。

 

初級モデルはまず吸引性能に注目。なかには水拭き機能付きモデルもあり、吸引+水拭きモデルを格安で購入したい人は狙い目だ。中級モデルは「吸引+水拭き」タイプや「吸引+自動ゴミ収集」タイプの主戦場。また、ナビゲーション技術やアプリ連携機能もワンランク上の製品が多い。上級モデルでは「吸引+水拭き+自動ゴミ収集」タイプと、さらに「モップ自動洗浄」機能を備えた “全部乗せ”  モデルが競合。吸引・拭き掃除に加え、掃除前後のメンテまで、最高の技術で家事を代行してくれる製品が揃っている。

 

さらなるタイパ向上が求められ、市場はゆるやかに拡大

「国内のロボット掃除機市場は拡大基調。特に吸引+水拭き2Wayモデルの普及が進んでいる」と語るのは、GfK Japanシニアアナリスト藤巻 憲さん。上級〜中級モデルにも自動ゴミ収集機付きが続々登場しており、各社こぞってさらなるタイパ向上を推進中。選択肢は幅広い。

↑ロボット掃除機 数量市場規模(2018年度=100) ●出典:全国の家電・IT製品取扱店約1万店(量販店、専門店等)の販売実績に基づく国内市場規模データ / GfK Japan調べ

 

ロボット掃除機 グレード比較

【初級モデル】予算〜5万円
掃除タイプ 吸引特化/吸引+水拭き2Way

ロボット掃除機の利便性を 十分体感できる基本性能を確保 このクラスでは「吸引のみ」の単機能タイプが中心だが、吸引性能や走行のレベルは以前より格段に向上。2〜3部屋の掃除も十分任せられるようになった。ロボット掃除機のある生活の快適さを体感してみたい人は、まずここから入るのはアリ。さらにワンランク上の掃除を求める人は「吸引+水拭き」対応の低価格モデルも狙い目だ。

 

こんな人に オススメ

●手軽にロボット掃除機を試してみたい人
●毎日の面倒な掃除機がけから解放されたい人
●「吸引+水拭き」を格安で体験してみたい人。

 

【中級モデル】予算5〜10万円
掃除タイプ 吸引+水拭き / 吸引+自動ゴミ収集など

多彩なタイプが揃うため 優先する性能の見極めが肝要 様々な掃除タイプが揃うボリュームゾーン。「吸引+水拭き」や「吸引+自動ゴミ収集」タイプに加え、上級モデル並みの「吸引+水拭き+自動ゴミ収集」を備えた製品もラインナップ。ただし、吸引力や水拭き・走行性・メンテ性能は機種ごとに一長一短がある。「吸引清掃重視」「メンテ性重視」など優先する性能を見極めてモデル選びしたい。

 

こんな人に オススメ

●予算をある程度抑えつつ多機能を求める人
●吸引清掃を中心に+αのタイパを求める人
●部屋の隅まできっちり吸引掃除してほしい人

 

【上級モデル】予算10万円〜
掃除タイプ 吸引+水拭き+自動ゴミ収集(+モップ自動洗浄)が中心

掃除にまつわるあらゆる 煩わしさを解消できる!  各メーカーのフラッグシップ級が揃う同カテゴリでは「吸引+水拭き+自動ゴミ収集」の1台3役が基本。モップ自動洗浄を行い、掃除機自体のお手入れがほぼ不要な機種も登場している。室内マッピングや障害物回避についても最先端技術を備え、賢く掃除を完遂。掃除にまつわるあらゆる煩わしさから解放されたい人にはマストな選択だ。

 

こんな人に オススメ

●吸引清掃・水拭き+掃除機のメンテも任せたい人
●障害物が原因の走行エラーが許せない人
●掃除のことを考えず部屋をきれいにしたい人

 

購入時のチェックポイント5

【Check1 掃除性能】吸引力やブラシ形状に加え水拭きモップ振動機能も注目

吸引掃除の性能は、モーターの吸引力とブラシの性能で決まる。吸引力表示のあるものはその数値と、メインブラシ/サイドブラシの性能をチェックしよう。ロボット掃除機に水拭きもしっかり行わせたい場合は、モップが振動するなど、汚れの拭き取り力をアップさせる機能の有無も確認すべし。

↑床上の様々なサイズのゴミ除去には、モーター吸引とブラシのかき込む力がカギ。床をよりきれいに保ちたいなら、この2つのスペックを注視しよう

 

↑吸引+水拭きタイプでは、サイドブラシで中央に集めたゴミをメインブラシで捕集。後方のモップで残った汚れを拭き取り、床をよりきれいに仕上げる

 

【Check2 走行性能】室内状況に合った走行技術とマッピング機能にも注目!

家具の種類やゴミの有無に合わせて賢く動きを変える走行性能のチェックはマスト。最近は、初級モデルでも室内をマッピングするモデルが増えた。自己位置を把握し、コの字型に規則正しく走行する機種はより時短。広いフロアの掃除中に充電が切れそうになると自動充電/自動再開する機能も重要だ。

↑マッピング対応モデルはカメラやレーザーセンサーなどを使って部屋の間取りを把握し、効率良いルートで掃除。複数の部屋も順番に掃除させられる

 

↑作成したマップをスマホと連携することで、掃除結果の確認が可能。掃除機が入れなかった場所の家具を動かして掃除完遂率を高めることもできる

 

【Check3 障害物回避性能】床の上を片付けることなく掃除をやり遂げてくれる!

障害物回避機能があると、吸込口に絡まり走行エラーの原因となるコード類などの障害物を避けて走行し、掃除を最後までやり遂げるのに役立つ。ロボット掃除機を動かす前に床を片付けるのが面倒だという人には特にオススメの機能だ。

↑上級モデルにはペットの排泄物を認識してその場所を避けながら掃除する機種も。ペットのいる家庭がロボット掃除機使用をためらう原因を解消する

 

【Check4 アプリ性能】掃除モードやスケジュールの設定もスマホでラクラク!

アプリ連携可能な機種は、掃除モードやスケジュールの設定がスマホ上でできて便利。中〜上級モデルでは掃除したいエリアや進入禁止エリアをスマホで設定、掃除をより自分好みにできる。音声で掃除が行えるスマスピ連携機能も見逃せない。

↑アプリ連携で掃除の状況を出先からもリアルタイムで確認可能。本体の操作パネルで行っていたスケジュール設定もいまはスマホで行える

 

【Check5 手入れのしやすさ】ダスト容器やメインブラシのメンテ性は特に吟味すべし!

ロボット掃除機の性能維持にはこまめな手入れが不可欠。ゴミの捨てやすさに加え、ダスト容器の掃除のしやすさ、メインブラシの毛がらみ除去のしやすさも確認を。自動ゴミ収集機能やモップ自動洗浄機能があれば、手入れの手間を大幅に軽減できる。

↑ダスト容器内に吸着したハウスダストなどは取り除くのが面倒。水洗い対応の容器なら、静電気でくっ付いた汚れも一瞬で洗い流せる

 

ロボット掃除機を使いこなせるか不安ならまずは借りてお試しを!

ロボット掃除機を買っても使いこなせるか不安に思う人は多い。そこでオススメなのがロボット掃除機のレンタルやサブスク。ルンバ発売元のアイロボットは自社製品のサブスクを展開しており、購入前のお試しができる。また、家電レンタルサービスを利用すれば、複数の機種を試してから最適な1台が選べる。

 

【レンタルのここが〇】
●購入前に実際の使用感を確認するのに最適
●複数の製品を試して最適なモデルを選べる
●通常の使用での故障なら修理・交換が無料

 

【レンタルのここが△】
●長期間借りると購入するより割高になる
●前払い制で途中解約しても返金がない場合も
●中古品が届く場合があり新品希望者は要注意

↑ドコモのデバイスお試しサービス「kikito」

 

【サブスクのここが〇】
●高額な製品を少額料金 で使え長期利用に最適
●契約期間中に壊れても 無償で修理してくれる
●一定期間使い続けると 以後料金無料の場合も

【サブスクのここが△】
●利用期間が短いと中途 解約金が必要な場合も
●製品リストに希望する 機種がない場合も
●サービス会社によって は中古品が届く場合も

↑ロボットスマートプラン+(アイロボット)