イーロン・マスクの発言は「ディープフェイクで作られた可能性がある」とテスラ側の弁護団が主張
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by Tesla Owners Club Belgium
カリフォルニア州のサンタクララ郡高等裁判所で行われているテスラの電気自動車による死亡事故を巡る裁判で、被告側のテスラが、原告側から提出された「イーロン・マスクCEOが2016年に発表した声明のムービー」をディープフェイクの可能性があると主張しました。これを受けて、裁判官はマスク氏に対して、実際に特定の発言をしたかについて宣誓した上で証言するように命じました。
https://www.reuters.com/legal/elon-or-deepfake-musk-must-face-questions-autopilot-statements-2023-04-26/
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Elon Musk will likely testify about his Autopilot statements | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/04/26/elon-musk-will-likely-testify-about-his-autopilot-statements/
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Elon Musk’s statements could be ‘deepfakes’, Tesla defence lawyers tell court | Tesla | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2023/apr/27/elon-musks-statements-could-be-deepfakes-tesla-defence-lawyers-tell-court
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問題となった裁判は、2018年にAppleのエンジニアがテスラのモデルXに乗っていて衝突事故に遭い、死亡した事件をめぐるものです。
テスラのオートパイロットについて不満をぶちまけていたAppleのエンジニアがモデルXの衝突事故に巻き込まれて死亡していたことが明らかに - GIGAZINE
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エンジニアの遺族は、テスラが開発していた運転支援システムの「オートパイロット」機能は失敗だったと主張。一方、テスラ側は「エンジニアは事故前に携帯電話でゲームをプレイしていて、車両の警告を無視していた」と主張しました。
そして、この裁判で原告側は、2016年にテスラが公開した「オートパイロット機能をアピールする映像」を証拠として提出しました。この映像では、テスラのモデルXが市街地や郊外を走り、赤信号でちゃんと停車し、青信号に変わると加速を始める様子が映っていました。このムービーは以下から見ることができます。
Full Self-Driving Hardware on All Teslas on Vimeo
さらに原告側は、マスクCEOがオートパイロット機能について「モデルSとモデルXは、現時点では人間が運転するよりも安全性が高く自律的に運転手できます。今はね」と発言する録音を提出しました。
しかし、証拠として提出された発言について、マスクCEOはテスラ側の弁護団を通じて「問題となっている発言をしたかどうかの記憶がない」と主張。加えて、テスラ側の弁護団は「マスクCEOは多くの公人と同様に、実際にはしていない発言や行動をディープフェイクで捏造される対象になることが多い」と述べ、証拠映像の信ぴょう性に疑問を示しました。
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by Tesla Owners Club Belgium
サンタクララ郡高等裁判所のイヴェット・ペニーパッカー判事は、「マスクCEOが有名であるがゆえにディープフェイクの対象になりやすく、その公的な発言は免責される可能性があるという主張は非常に厄介です」と述べ、「マスクCEOは実際に発言したかどうかを尋ねるため、宣誓した上で証言するように」と暫定的に命じました。
ロイターはマスクCEO・テスラ・原告側弁護団にコメントを求めましたが、記事作成時点で返答はなかったそうです。
なお、テスラは2019年に発生したオートパイロット中の衝突事故をめぐる裁判で、「運転手だった原告の注意不足が事故の原因である」という判決が下り、勝訴しています。
テスラがオートパイロット中の衝突事故をめぐる裁判で勝訴 - GIGAZINE
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