マイアミビーチで4月18日に開催されたポッシブル(Possible)カンファレンス初日の目玉は、イーロン・マスク(TeslaとStarlinkの創業者で、現在はTwitterのオーナー)がメインステージに登場し、プラットフォーム上のブランドの安全性に関するブランドマーケターの懸念に対して、Twitterが何をしているかを語ったことだった。

ヘイトスピーチの抑制に自信



NBCユニバーサル(NBCUniversal)の広告およびパートナーシップ担当グローバルチェアを務めるリンダ・ヤッカリーノ氏との対話のなかで、マスク氏は主要メディアを嘲笑しつつシチズン・ジャーナリズムを称賛し、自身の扱いはTwitter上のあらゆるユーザーとまったく同じであると語った。

また、言論の自由を保証する一方で、ヘイトスピーチの抑制のためにコミュニティコントロールを実施しているとも話した。なお、ヤッカリーノ氏はTwitterの次期CEO候補として有力視されている(現在はマスク氏の愛犬フローキがCEOということになっている)。

「人々はまだ気づいていないかもしれないが、我々は極めて効果的なアジャセンシーコントロールを導入している」と、マスク氏は満員の観客を前にメインステージで語った。セッションの電子録音はなぜか禁止されていたという噂だが、実際には数百人が彼のコメントを携帯電話で録音していた。

また、マスク氏は質疑応答は行わないと事前に明言していたにもかかわらず、客席からの複数の質問(同氏に過度に媚びるようなものもあった)に答えた。

今後Twitterはどう変わるのか?



マスク氏は観客を魅了し、言論の自由への支持を表明した時には拍手も巻き起こったが、同氏が自身の発言を実行に移すかどうかは未知数だ。マスク氏の発言からは、同氏が会場に詰めかけたマーケターに好印象を振りまこうとしていたことが読み取れる。

「広告はスパムから魅力的なコンテンツまで全体にわたって展開される。言うまでもないが、私は魅力的なコンテンツに力を入れ、関心との一致を高め、面白いものにしたいと考えている」と、マスク氏は述べた。

文筆家、講演家、アドバイザーであり、ピュブリシス・グループ(Publicis Group)で長年幹部を務めたリシャド・トバッコワラ氏は、以下のDIGIDAY制作の動画で、マスク氏のコメントについて自身の見解を述べている。動画はマスク氏とヤッカリーノ氏のセッションの終了直後に制作された。



[原文:Elon Musk aims to charm marketers with vow to focus on ‘compelling’ Twitter content and transparency

Michael Bürgi(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:島田涼平)