7日の債券市場で、先物中心限月6月限は変わらずとなった。米国の長期債相場の上昇(金利は低下)を受けた買いが先行したものの、米雇用統計の発表を今晩に控えており、持ち高整理を目的とした売りに押されて値を消した。

 6日発表の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、米国の雇用情勢と景気に対する慎重な見方が広がった。米長期金利は一時3.25%台まで低下した。

 国内では7日の取引終了後、日銀の黒田東彦総裁が退任会見に臨む。9日付で元審議委員の植田和男氏が新総裁に就任する予定で、植田新総裁は10日に就任会見に臨むほか、岸田文雄首相と官邸で面会する方向で調整に入ったとも報じられている。植田新総裁の発言から、新体制での金融政策の方向性に関する手掛かりを得たいとの投資家心理が強まった。

 7日はイースター前のグッドフライデー(聖金曜日)で、欧米主要国の株式市場は休場。米国の債券市場は短縮取引となる。休暇入りした海外投資家も多いとみられ、円債相場は方向感の乏しい展開となった。

 先物6月限は前営業日比横ばいの147円66銭で取引を終えた。現物債市場で、新発10年債利回りは同0.005%低い0.455%に低下した。


出所:MINKABU PRESS