7日午前の債券市場で、先物中心限月6月限は反落した。前日の米長期債相場が上昇(金利は低下)したことを受けた買いが先行したものの、今晩発表の米雇用統計を前に、ポジション調整目的の売りに押される展開だった。

 6日の米国債券市場で、長期金利の指標となる10年債利回りは3.30%近辺に低下した。同日発表の米新規失業保険申請件数は市場予想を上回り、米国の雇用情勢に対する慎重な見方が広がった。

 国内では日銀の黒田東彦総裁が8日に退任し、9日付で元審議委員の植田和男氏が新総裁に就任する。植田新総裁は10日に岸田文雄首相と官邸で面会する方向で調整に入ったとも伝わっている。今後の金融政策の方向性を見極めたいとの投資家心理が働くなか、円債市場では上値を追う姿勢は限られた。

 先物6月限は前営業日比5銭安の147円61銭で午前の取引を終えた。現物債市場で新発10年債利回りは一時、同0.005%高い0.465%をつけた。


出所:MINKABU PRESS