シチズン光発電技術の進化形「Eco-Drive 365」登場。ヘリテージモデルから着想を得たリッチなデザインに惚れ惚れ
時計本体に内蔵するソーラーセルが、浴びた光から電気を起こして時計を駆動させる、シチズン独自の光発電技術「エコ・ドライブ」。定期的な電池交換を行うことなく、日々使い続けられる安心感はなにものにも代えがたいもの。
世界初のアナログ式光発電時計発売以来、半世紀近くの長きにわたって発展を続けるこのテクノロジーの進化形としてまもなく登場するのが「Eco-Drive 365」(5万8300円〜11万円)。特筆すべきは、一度フル充電すれば365日休むことなく動き続けるという新開発のムーブメント・Caliber E365の存在。1970年代のアーカイブモデルから材を得た、リッチなデザインも話題を集めそうです。
いまやシチズンの代名詞ともなっている光発電技術「エコ・ドライブ」、その研究開発がスタートしたのは、石油ショックに世界が揺れた1970年代初頭のこと。わずかな光を捉えて時計を駆動させるエネルギーに換えるこの技術は、現在では世界140もの国と地域で広く活用されています。
世界各地で見られる災害や著しい気候変動、まためまぐるしく変わる政治・経済情勢にあって、エネルギーに対する意識はますます高まるばかりですが、そんななかで新たに発表されるのが今回の新製品「Eco-Drive 365」。シチズンではレギュラーモデル2機種・限定モデル1機種の合計3機種を、2023年秋冬をめどにリリースすると発表しています。
鍵を握っているのは、エコ・ドライブ技術の両輪である低消費電力と長時間駆動をいっそう強化した新型ムーブメント・Caliber E365。たった1回フル充電にすれば、あとは365日充電することなく動き続けられるというのは驚きのひと言。技術の詳細については現時点では明らかになっていませんが、時計精度を表す月差は±15秒、またムーブメントの直径はスタンダードな27mmに収めつつ発電効率を高め、さらに運針パルスにも独自の工夫を重ねることで、光発電時計デザインの可能性を広げるとしています。
発売予定の3モデルはいずれも共通仕様として、直線的な面で構成されたステンレスケースを採用。ケースサイズは直径42.5mmで厚みは11.1mm。どことなく近未来感を感じさせるユニークなフォルムは、1973年に発表されたヘリテージモデル「シチズンクオーツE・F・A」のデザインをヒントに、その個性を再解釈しています。
▲BN1015-52E
独特の輝きを見せるダイヤルには最新の光発電文字盤製造技術を採用。レギュラーモデル2機種(ブラックモデル:6万3800円、シルバーモデル:5万8300円)に関しては、デザイン面ではサイズ・色の異なる4種類のラメをちりばめることで、満天の星空や地球本来の持つ美しさといった、スケールの大きなモチーフを表現しています。
▲BN1014-55E
あえてダイヤルではなく、外周の見返しリングにセッティングしたバーインデックス、ケース形状とイメージを揃えて面カットを施した鋭いデザインの真鍮製の針も印象的。
▲BN1010-05E
また限定モデル(11万円)として、外周リングと3針に鮮やかなイエローゴールドを採用するなど、前述の「シチズンクオーツE・F・A」の意匠にさらに寄せたモデルもラインナップ。
一見豪奢で華やかなダイヤルですが、インデックスに埋め込まれているのは人工宝石ながら天然ルビーに匹敵する色と透明感を持つといわれる“クレサンベール”のラボグロウン・ルビー。またバンドに使われているブラウンのカーフレザーはLWG認証を受けたものであったりと、随所に環境負荷への配慮を施している点も好印象。
実際に店頭に登場するのはまだ先の話ではあるけれど、一度充電したら1年間何もしなくてもいいなんてまるでおとぎ話のよう。2023年下半期の注目を間違いなく集める、楽しみなタイムピースです。
>> シチズン
<文/&GP>
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