電子マネー利用が当たり前の時代だけど、冠婚葬祭での利用はOK?NG? 注意すべきこととは

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先日、筆者の友人のお母さんが亡くなった。
筆者や友人の世代も、年齢的に両親や親戚縁者でこうしたことが増えてくる時期に入っている。

筆者と親しい友人間では、こうした際には、お返し不要で、気持ちとして1人5,000円、4人で20,000円のお花やお包みをするという所作が、なんとなく定型化していた。
筆者の父が亡くなったときも、友人たちからは20,000円分のお花をいただいた。

今回の場合、不幸を知ったのが遅かったこと、友人たちが徳島・東京・神奈川とバラバラであることもあり、どのような方法で受け渡すかを考える必要があった。
現金書留、当の友人と会う機会に手渡し、電子マネーなどの方法が案として上がった。
結論としては、今回は電子マネーで渡すことになった。

友人Aが代表してPayPayで20,000円を送金し、筆者は友人AにPayPayで5,000円を送金するといった具合だ。


友人Aが代表してPayPayで送金


今回、筆者分の5,000円を友人Aに対してPayPayで送金してもいいかとたずねたら、
こころよくOKとの返事をいただいた。
PayPayでの送金は初めてだったのでどうやって送金するのかと操作を確認していたところ、友人AからLINEで「支払いリクエスト」が届いた。
このリンクをクリックするだけで、簡単に送金できた。


LINEに届いたリンクをタップし、表示される画面で金額を入力する



下の「〜円を送る」をタップすればよい。メッセージを書くこともできる


送金先(友人A)のPayPay IDがわかっている場合は、IDを入力して直接送ることもできるようだ。
LINEで請求するという方法は、今後筆者も使うシーンがあると思い、自分なりに操作を確認してみた。


PayPayトップ画面の「送る」をタップし、次の画面で「請求」をタップ。請求方法の選択で「LINEの友だちに請求する」を選ぶ



画面に金額を入力し、「〜円を追加する」をタップする



「LINEの友だちにリンクをシェアする」をタップすると、送信先選択画面になるので、送る相手を選択する


これで送金してもらう相手に、LINEで請求依頼が届くというわけだ。

今回、冠婚葬祭の中でも一番デリケートな「香典」を送るために電子マネーを利用した。
しかし冠婚葬祭に関わる件で、最近登場した電子マネーを利用することには、すべての人が好意的、肯定的にとらえているわけではない。

今回、問題なく実行できたのは、さまざまな条件が揃っていたからだ。
・本人に確認したところ、電子マネーでも問題ないとの返事を貰えた
・連名で送る友人たちの在住地がバラバラで、現金書留などの利用では時間も費用もかかる
・直接会って手渡しする機会はしばらくなく、かなり先になってしまう
・友人は、合理主義者で、電子マネー利用にも寛容だった
・両親ともに他界しており、親戚などからも特に何か言われる心配もなかった

友人Aが送金した直後、受け取った本人からお礼のLINEが届いた。
筆者は、電子マネーという形式で申し訳なかったこと、少額で申し訳なかったことを詫びたが、「まったく問題ないし、気持ちがうれしい。本当にありがとう」といった内容の返事をいただき、安堵した。

電子マネーは日常生活で使う人も増え、定着しつつある。
そうはいっても、冠婚葬祭のような特別な事柄の香典や祝儀を電子マネーで送ることに対してはまだまだ賛否があるのも当然だと思う。

もちろん筆者も諸手を挙げて電子マネー利用に賛成だ、というつもりもない。
しかし、事前に確認し、双方が納得するなど、関わる人の気持ちを損なわない条件がクリアできれば電子マネーを利用するという選択も、これからはできるのだと思う。

今後もさまざまなことに配慮しつつも、電子マネーを活用する選択肢を安易に排除せずに、円滑な人間関係と社会生活を豊かにし続けていきたいと思う。




執筆 内藤由美