音楽用語の「スウィング」とは連続する音符のうち1つ目をやや長めに取り、2つ目をやや遅めに入れるリズムのことを指しますが、実際にスウィングがどういうものかイメージをつかむのは難しいもの。そんなスウィングがどういうものかを視覚的に理解できるツール「Groove Pizza」が公開されています。

Groove Pizza

https://apps.musedlab.org/groovepizza/

「Groove Pizza」の開発者であるEthan Hein氏が、Groove Pizzaの使い方を動画で解説しています。

Groove Pizza - Understanding Swing - YouTube

Groove Pizzaでは、中央にある円形のテーブルが譜面となります。テーブルは16拍に分れており、各拍にある点がリズムを表しています。画面左下のゲージを上下させることで、「VOLUME(ボリューム)」「BPM」「SWING(スウィング)」「SLICES(拍)」の設定が可能です。



テーブル中央のドラムボタンをクリックすると、楽器の種類を「Afro-Latin(アフロ-ラテン)」「Hip-Hop(ヒップホップ)」「Jazz(ジャズ)」「Rock(ロック)」「Techno(テクノ)」から選択可能。Hein氏はヒップホップを選択しました。



下部の再生ボタンをクリックすると、設定したBPMに沿って音が鳴ります。



テーブル上の点をクリックすることで、音を足していくことが可能です。



ここで「SWING」のゲージを上げていきます。



すると、「2」「4」「6」……「16」のように、偶数が振られている拍における点の位置が時計回りにずれ、音が鳴るタイミングがやや遅くなりました。これが、「連続する音符のうち1つ目をやや長く、2つ目をやや遅めに入れる」というスウィングのリズムとなります。鳴っている音を確認すると、確かにノリの良さが感じられるリズムになっています。



スウィングが強い場合、奇数拍から偶数拍の間が長くなっています。



対照的に、偶数泊から奇数拍の間は短くなっています。



スウィングの説明をする際、「3連符の1拍目と3拍目に合わせて2連符を弾く」と言われることがありますが、実際には2つの音が鳴るタイミングは正確に3連符と合致するわけではなく、曲や演奏スタイルによってさまざまです。Groove Pizzaはこれを視覚的にわかりやすくしたものといえます。



実際にGroove Pizzaを使い、スウィング感を確かめてみることにします。まずはテーブル中央のドラムボタンをクリック。



今回は「JAZZ」を選択します。



スネアドラムやシンバル(ハット)の音を入れ、それらしいリズムを作ります。



再生ボタンをクリック。



左下のゲージで「SWING」を上げると、偶数拍の音がずれてスウィングを感じられます。なお、BPMが早すぎるとその分だけ音ずれも短くなるので、最初のうちはBPMをゆっくり目にするとスウィングを感じやすくなります。