JR西日本は20日、特急「やくも」に投入する新型車両273系の車両デザインを決定したと発表した。「沿線の風景に響き自然に映える車体、山陰の我が家のようにくつろげる温もりのある車内」をデザインコンセプトとしている。

特急「やくも」の新型車両273系のエクステリアデザイン

新型車両273系は、車体に「やくもブロンズ」を採用しており、「山陰・伯備線の風景に響き、自然に映える車体」になるという。車内に関して、グリーン車は明るく空間の広がりを感じられる黄色をベースに、山陰の文化・風土を演出。普通車は沿線の山々をイメージした緑色をベースに、「麻の葉」模様をあしらい、沿線の自然・風土を演出する。座席間隔を拡大するとともに、座り心地を改善した座席も採用するという。

新たにグループ向け座席も設置し、くつろぎを演出。鉄道車両の特性を生かし、大きな窓からの車窓を楽しめるほか、向かい合える座席構成とし、フラットにできるシートや大型テーブルと緩やかな仕切りを設けることで、適度なプライベート空間としている。





デザインコンセプトは「沿線の風景に響き自然に映える車体、山陰の我が家のようにくつろげる温もりのある車内」

新型車両273系で採用される「やくも」のロゴ・シンボルマーク

車両インテリアデザイン(グリーン車)

車両インテリアデザイン(普通車)





車両インテリアデザイン(グループ向け座席)

バリアフリー・利便性を考慮し、車いすスペースの拡大や多目的室の設置など幅広い利用層を意識した設備の充実を図り、車内Wi-Fiと全席コンセント、大型荷物スペース設置も採用。空気清浄機の搭載、抗菌・抗ウイルス加工で安心した車内環境づくりも進める。防犯カメラの設置による車内セキュリティ向上に加え、車体の衝突安全対策や機器の二重系化などで安定性も向上させる。新たに開発・実用化した「車上型の制御付自然振り子方式」により、乗り心地も向上。環境負荷の軽減も図り、よりエネルギー変換効率に優れたVVVF制御装置の採用、LED照明などで省エネ化を進める。

新型車両273系の運行区間は岡山〜出雲市間とされ、投入車両数は44両(4両編成×11編成)。2024年春以降の営業運転開始を予定している。