by NONE NONE

あるLinuxユーザーが、2014年に発売されたiPad Air 2でLinuxを動作させることに成功したとTwitterで報告しました。近年の端末に比べてスペックが低く、また他のOSで動作するようにも設計されていない端末でLinuxを動かしたのは偉業だと報じられています。

Have an old iPad lying around? You might be able to make it run Linux soon | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2022/06/developers-get-linux-up-and-running-on-old-ipad-air-2-hardware/

iPad Air 2でLinuxを動かすことに成功したのは、Linuxカーネル開発者開発者のKonrad Dybcio氏と、Linux愛好家のMarkuss Broks氏です。両氏は協力して、古いiPad Air 2に2022年5月25日にリリースされたばかりの「Linux 5.18」を起動させました。

以下は、Broks氏が投稿した、iPad Air 2でLinuxが起動中の様子を写した画像です。



古いデバイスでLinuxを動作させるにあたり、Dybcio氏らが使用したのが「postmarketOS」と呼ばれている、Alpine Linuxベースのディストリビューションです。このディストリビューションは、主にAndroidデバイス向けに活発に開発されているとのこと。

またDybcio氏は、このプロジェクトに関する最初のツイートに「checkm8」というハッシュタグを付けて投稿しています。「checkm8」とは、2019年に発見されたiOSのジェイルブレイク(脱獄)を可能とするBootROM Exploitです。Appleによる修正が不可能な上に、A5〜A11までのプロセッサで使用できるため、checkm8は「ゲームチェンジャー」と呼ばれることもあります。

iPhone 8やiPhone Xを脱獄させる新たな手法が発見される、パッチによる修正は不可能 - GIGAZINE



by William Hook

今回使用されたのはA7搭載のiPad Air 2ですが、Broks氏のツイートではiPhone 5Sや初代HomePodなど、A7とA8を搭載したあらゆるデバイスも対象になることが示唆されています。

ただし、Broks氏が「よく見ると、フレームバッファの一部がぐちゃぐちゃになっているのが分かると思います」と述べているとおり、現状ではLinuxを完全に起動させるには至っていない模様です。



それでも、Ars Technicaは「全部ではないにせよ、ほとんどのA7とA8搭載デバイスの更新は打ち切られています。Linuxのサポートによって、それらの古いデバイスでもレトロゲーム機や簡単なホームサーバーなどの用途、あるいはその他の低消費電力Armハードウェアが得意とする分野で第2の人生を送ることができるかもしれません」と述べて、Appleからの更新が途絶えた旧型デバイスをLinuxマシンとして再利用できる可能性に期待を寄せました。