AirTagのスピーカーを無効化した改造品がマケプレに一時出品。業者は「ストーカー目的ではない」と主張
アップルの落とし物トラッカーAirTagのスピーカーを無効にした改造品がeBayなどマーケットプレイスで出回り始めているが、出品者はストーカー行為を目的ではないと主張していることが報じられています。
AirTagにはストーカー対策のために「一定時間、持ち主から離れるとビープ音を鳴らして存在を知らせる」仕組みがあります。PCMagによると、そのスピーカーが外されたものがEtsy（ハンドメイド品を扱う電子商取引サイト）やeBayで一時、「Silent AirTag」などと名付けられて販売されていたとのことです。
この「Silent AirTag」の価格は77.50ドルで、本来のAirTag（29ドル）より2倍以上の高値です。この出品は後に取り下げられ、その業者はPCMagに「この改造の意図は、私の別のAirTag製品に興味を持った購入者の何人かからの、自転車やペット、電動工具にAirTagを着けたいとの要望に応えることでした」との声明を寄せています。
かたやeBayに出品していた別の業者は、スピーカーを除去したことで「隠した場所を泥棒に知られる可能性が低くなる」と宣伝しているそうです。これら改造AirTagに対して、電子フロンティア財団のEva Galperin氏が「ステルスモード」と呼ぶなど、プライバシーとセキュリティの専門家らが驚きと不快感を表明しています。
Oh look. There is already a secondary market for modified AirTags with the speaker disabled for “stealth mode.” I hate everything so much right now. https://t.co/Y56CusJ4qP
- Eva (@evacide) February 2, 2022
本来AirTagは、忘れ物の防止やなくし物を探すための製品です。本来の持ち主が盗難防止のために使ったケースもありますが、最近ではストーカー行為に悪用されたという報道が相次いでいます。たとえば1月には米ニューヨークで水着モデルの女性が何時間もつけ回されたことや、最近でもコネチカット州の男性が車にAirTagと取り付けようとしたところを警察に目撃され、ストーカー行為で起訴された事件もありました。
アップルはAirTagに音を鳴らす仕組みのほか、身近にある不審なAirTagをiPhoneを通じて知らせるなど、いくつものストーカー対策を施しています。これらは競合他社製品にはない機能で、逆にストーカー行為や車泥棒を未然に防いだことさえありますが、一方でAirTagがハッキングできたとの報告もあり、今後もソフトウェアアップデートなどによりセキュリティの強化が図られるのかもしれません。
Source:PCMag
via:AppleInsider
