義兄が手渡した風邪薬は除草剤、少女救った肺移植「命の募金」

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昨年末に中国河北省出身の少女マー・モンモンさん(18・仮名)が、義兄のチェンさんから手渡された風邪薬を飲んで中毒症状に陥ったと河北TVなどが報道した。

なんと、義兄が手渡したのは風邪薬ではなく除草剤だったのだ。

その彼女がオンライン募金で支援を受けて肺移植手術をし、1月19日に無事退院したことがネット上で話題になっている。

昨年12月6日に嘔吐&下痢の症状と体のだるさを感じたモンモンさんは、薬局で買ってきた薬を飲んだが回復しなかった。

2日後、病院で診察を受ける頃には状態はさらに悪化し、彼女の舌は火傷したかのように真っ赤に腫れ、立って歩くことさえできなくなってしまった。その後地元の病院の転院を繰り返したが彼女の病状は改善せず、河北省人民病院に送られた。多くの検査の結果、12月17日にようやく尿中に除草剤によるパラコート中毒が検出された。

モンモンさんの体調不良の原因が分かった後、チェンさんは彼女の家族に通報され殺人未遂の容疑で逮捕された。自らの実家の経済状況が悪く「モンモンさんの家族に見下されている」と感じ、復讐するために事件を起こしたそうだ。

パラコート中毒によって呼吸不全になり複数の臓器を損傷してしまったモンモンさん。

彼女が助かるには肺の移植手術しか方法がないが、手術には100万元(約1,800万円)も必要だった。

チェンさんの逮捕後、モンモンさんの家族がネット上で助けを求めるとすぐにオンライン募金が始まり、1晩で2万元(36万円)以上もの寄付が行われた。1月19日14時の時点で1万7千人もの人々が参加し、64万元(約1,150万円)以上が集まっている。

モンモンさんは1月5日に北京の病院で肺移植手術を受け、1月19日に無事に退院することができた。彼女はすでに歩けるようになり、体調も順調に回復している。

モンモンさんの父親は「私たち家族は娘を助けてくれた病院に非常に感謝している。娘の手術の機会を与えてくれた親切な人々にも感謝します。ありがとうございました!」と語った。

1月20日にモンモンさんは北京から遠く離れた無錫人民病院に転院し、2ヶ月以上かけて更なる治療とリハビリに励むという。