安田祐香が同級生の姿も刺激に3年目の飛躍を狙う(撮影:GettyImages)

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アマチュア時代の活躍から大きな注目を集めデビューした安田祐香にとって、2020-21年シーズンは“試練の1年半”となった。それだけに「ケガもあったし、予選落ちが多かったり、苦しいシーズンでした。来年への課題は明確。濃い1年にしたい」と巻き返しへの思いは強い。この苦い経験も生かし、新シーズンで真価を発揮したいところだ。
安田がプロテストに合格したのは19年11月。さらに直後に行われた翌年の出場権がかかった予選会(QT)も2位で通過し、20年に始まるルーキーイヤーをレギュラーツアーからスタートする権利も得た。プロ生活の滑り出しは順調だった。
しかしその20年シーズンは、世界中でまん延することになる新型コロナウイルスの影響で春先からバタバタと大会中止が続いた。さらに当初のスケジュールが大きく狂うなか、安田自身もアクシデントに見舞われることになる。ツアーは6月に“開幕”を迎えることになったが、すぐに「頸椎捻挫」という首の故障に悩まされることになったのだ。
プロ6戦目となった9月の「デサントレディース東海クラシック」出場をこの故障が原因で取りやめると、そこから3試合を欠場。10月の「富士通レディース」で復帰を果たしたが、第2ラウンド前に途中棄権した。2週後に行われた次戦の「樋口久子 三菱電機レディス」は3日間プレーし16位タイの成績をおさめたものの、その後も優勝争いに加わることもなくプロ1年目を終えた。
さらに翌21年も序盤に左腕痛を発症するなど苦闘。結局この1年半で40試合に出場したものの、トップ10が4回に予選落ち12回と、輝きを放つまでには至らなかった。そんな結果を受け、この冬の“明確な課題”として「ケガをしない体作り」を掲げる。「これまでよりも負荷をあげる」という筋トレを自らに課し、1年間を戦いきる体を作り上げ、さらにシーズン中の体重減も試合を戦っていくうえでの障害になったため、同時に食トレにも励み「3キロ増」を目指していく。
苦しかったルーキーシーズンだったが、切磋琢磨を続けてきた同級生たちはまばゆい活躍を続けた。最終戦まで賞金女王を争った古江彩佳の6勝を筆頭に、メジャー制覇も果たした西村優菜が4勝、そして吉田優利が2勝。これはやはり安田にとって大きな刺激となる。「すごく活躍していたので私も負けないように頑張ろうという気持ちになりました。早く追いつけるように」。この冬を乗り切るうえで1つの原動力になりそうだ。
昨季は、いずれかで50位以内に入ればシードを獲得できた賞金ランキングで69位、メルセデス・ランキングは67位という結果に終わった。初シードは持ち越しになってしまったが、年末に行われたQTで20位になり今年もレギュラーツアー前半戦にフル出場できる見込みは立っている。この結果には「ホッとした」と胸をなでおろすが、これはリベンジへのスタートラインにすぎない。「初戦から優勝争いをして、前半戦のうちに勝てるように」。プロ3年目の飛躍を誓う。
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