極超音速ミサイルや600kW高出力レーザーを搭載する予定。

船体サイズは不明 でもイラストは披露

 アメリカ海軍は2022年1月12日(水)、次世代水上戦闘艦DDG(X)のコンセプトを発表しました。

 海軍の説明では、極超音速ミサイルや既存のレーザーよりも10倍ほど照射能力が強力なレーザー兵器を搭載することを盛り込んでいるとのこと。20年以上にわたって建造が続けられているアーレイバーク級ミサイル駆逐艦の次世代艦として、新型の指向性エネルギー兵器と高出力センサーを稼働させられるよう最初から設計されるとしており、具体的には、飛翔する敵ミサイルを妨害するのに十分な最大600キロワットの高出力レーザーに電力を供給することを想定しているといいます。


アメリカ海軍が公開した次世代水上戦闘艦DDG(X)のコンセプトイメージ(画像:アメリカ海軍)。

 排水量など船体サイズに関する数値はいまだ未発表ではあるものの、搭載する兵装や戦闘システムなどは具体的に描かれています。なお推進機関については、従来のガスタービンから、ズルムウォルト級ミサイル駆逐艦に搭載された統合電気推進のようなものにするそうです。

 これにより、従来艦と比べて航続距離を50%程度伸ばし、活動エリア(ステーション)の滞在時間を大幅に増やす一方、ミサイル駆逐艦「アーレイバーク」と比較して燃料使用量を25%削減し、海軍の艦隊における兵站要件を減らすことも要求しているとのことです。

 またアーレイバーク級ミサイル駆逐艦は、おもに熱帯地域での活動を想定して設計されていたのに対して、DDG(X)は北極海域での操業能力向上を目指しているともいいます。

 このような意欲的な内容のDDG(X)、予定では1番艦(ネームシップ)は2028年に建造を開始するとしています。