ロッキードの民間機といえば「トライスター」ですが、ベストセラーはこちら。

「空の貴婦人」とも?

 1943(昭和18)年1月9日は、アメリカの航空機メーカー、ロッキード社が手掛ける4発プロペラ旅客機「コンステレーション」が初飛行した日です。この旅客機は、同社の民間航空機のなかでは、800機以上が生産されたベストセラーモデルとなりました。


トランスワールド航空塗装のロッキード「コンステレーション」(画像:アメリカ空軍)。

 この「コンステレーション」の形状は、一般的なプロペラ旅客機とは一線を画すものです。胴体尾部には、3枚の垂直尾翼がならび、胴体も一般的な筒状ではなく、細い機首から中央部にかけて直径が太くなり、主翼後方から後部にかけてまた細くなるというもの。そのデザインは「やじろべえ」のようにも見えますが、当時はその儚げな外観から「空の貴婦人」と呼ばれました。

 同機はいくつかサブタイプが製造され、もっとも売れたのは、1951(昭和26)年初飛行の大型化タイプのL-1049「スーパー・コンステレーション」。「エアコン、リクライニングシート、追加の洗面所など、前代未聞の洗練された機能を誇った」(ロッキード・マーティン社)という豪華設備をもちました。

 同機は、戦後のプロペラ旅客機全盛時代における花形機種のひとつだったものの、ジェット旅客機の出現にともなうような形で1958(昭和33)年に、生産終了に。なお、ユニークな外観と客室で大ヒット作となった「コンステレーション」ですが、日本の航空会社での採用はありませんでした。