岡田将生『聖地X』韓国のアクション・チームに刺激受ける「高みを目指したくなる」
岡田将生が20日、都内で行われた映画『聖地X』の公開記念舞台あいさつに、共演の川口春奈、薬丸翔、メガホンを取った入江悠監督と共に登壇し、本作での役づくりや撮影時のエピソードなどを語り合った。
本作は、『SR サイタマノラッパー』『AI崩壊』などの入江監督が、劇団イキウメを主宰する劇作家、演出家である前川知大の戯曲を映画化したもの。父が遺した韓国の別荘で暮らす小説家志望の兄・輝夫(岡田)が、夫との離婚を決意し兄のもとを訪れた妹・要(川口)とともに、立ち入った者は奇妙な死を遂げると伝わる不気味な土地に足を踏み入れたことから起こる惨劇を描く。
岡田は、演じた輝夫というキャラクターについて「本当にポンコツのお兄ちゃんなんだよね」と妹役の川口に視線を送りつつ苦笑い。しかし「それは輝夫自身もわかっていて、この兄妹が、成長していくお話でもある。本(脚本)を読んだ時、これってどんな映画なんだろうと思いましたが、完成したものを観ると、輝夫のキャラクターだから成立する部分もたくさんあって、そのバランスが面白かった」と振り返った。そんな輝夫が、起きているできごとについて、別人のように雄弁に語りだすシーンについては「セリフがものすごく多かったんですが、のめり込むような感じでテンポよくしゃべること、スイッチを入れることを意識しました」と工夫の一端を明かした。
一方、川口は、要役について「フラストレーションマックスで韓国に来て、さまざまなことに巻き込まれ、いろんな感情、いろんな顔を見せていく女の子」と説明。「そこから物語が進んで、目の前で起きていることを受け入れ、徐々に人として成長できたと見えていたらうれしいです」と語った。
それを聞いていた入江監督は「薬丸くんに腕をガッとつかまれたとき、(川口が)ホントに、リアルにムッとした顔をしていて、そういうところを撮り逃がすまいと、意識して撮ってましたね」と裏話を披露した。
さらに『神と共に』シリーズなどを手がけたジョン・ジョンソクがアクション監督を務めたクライマックスのアクション・シーンについて話が及ぶと、岡田は「韓国のアクション・チームの方々の熱量が本当に違っていて、もっといいものをもっといいものをと、触発されて、高みを目指したくなるようなスタッフでした。シーンにユーモアもあって、楽しく観られると思います」とアピール。すると入江監督が「実はあのアクション、粘りすぎて、そのあとの芝居部分が予定の時間に収まらなくなっちゃって。アクション・チームは、自分たちの撮りたいものを撮って『やったぜっ』て帰って行ったんですけど、その後、(撮影の)予定時間をオーバーしてプロデューサーに怒られたんですよ」と楽しげに苦労話を明かしていた。(文・写真/岸田智)
映画『聖地X』は劇場・配信同時公開中