『24時間テレビ』はコロナ禍でも強行放送、内定していた“マラソン走者”たちの困惑
『24時間テレビ』(日本テレビ系)の放送まで3か月となった。夏の風物詩となった同番組は今年で44回目を迎える。コロナ禍元年となる昨年は感染対策をとりながら行われたが、昨年よりはるかに感染者が増加している今年はどうなるのか。
【写真】『24時間テレビ』の会見で当時人気の『チビT』をヘソ出しで着こなす瀬戸朝香
視聴者だけでなく業界も注目するなか、フジテレビ『27時間テレビ』は放送中止を発表。『24時間』も……と懸念されていたが、予定通り8月21日から22日にかけて放送されることに。
同番組でいちばん視聴者の興味をそそるのは、「ランナーは誰なのか」と言っても過言ではないだろう。『チャリティーマラソン』は、ランナーがゴールである武道館を目指して24時間かけて100km近い距離を走りぬくという、過酷なだけに大きな感動を呼ぶ目玉企画だ。近年は走者が誰か放送ギリギリまで明かされないため、業界内でも“ランナー当て”競争が盛んになっている。
今年もランナーは“決まっている”
また、ファンや野次馬が集まらないようにランニングコースは伏せられているのだが、今の時代に誰にも知られずに公道を走ることは困難で、人が集まるのは避けられない。そのため昨年は、関係者以外入ることができない場所で撮影が行われたようだ。
「走者は高橋尚子さんが率いる『チームQ』。ほかのメンバーは土屋太鳳さん、吉田沙保里さん、陣内貴美子さん、松本薫さん、野口みずきさんの5人。通常のマラソンができなくなった昨年は、ただ走るのではなく、1周5kmのコースを周回するごとに10万円を募金する『募金ラン』となりましたが、批判の声も大きかったです」(同・制作会社関係者)
《なぜランナーが自分で募金をするの》
《チャリティーランって、そう言う事なのか? 意味がわからん》
視聴者からは疑問の声が多数噴出し、評判は散々だったという。企画のテーマが定まらないうえに、マラソン放送としても厳しいものがあったようで、
「トラックを周回する彼女たちに画(え)的な変化がなく、単調になってしまっていました。競争するわけでもないので見ていた人はつまらないと思ったでしょう。日テレもその回の盛り上がらなさについては自覚的で、局内では箱根駅伝の予選でもやった方がよかったんじゃないか、なんて自嘲気味な冗談も出ていました。ただ、今年もランナーはすでに決まっています」(日本テレビ関係者)
動く数十億円の広告費
緊急事態宣言がいつ解除になるかわからない状況で、同番組が強行されることに非難の声が出ているのも事実だ。今年は去年以上の感染対策を取ることが必要となるのは当然のことだが、
「走者は決まっているのですが、緊急事態宣言も解除されないままに、まだ“マラソン企画”をどのようなパッケージにするか定まっていない。内定したランナーたちは“もうそろそろ練習を始めなくてはいけない”という状況なので、放送3ヶ月前になってもなかなかどのような距離・場所を走るのか決まらないこの状況に困惑しているそうです」(同・日本テレビ関係者)
現在の番組全体の進行状況はというと、
「去年と同じく武道館は無観客ですし、出演者は極力少なくする予定です。メインパーソナリティー(今年はKing &Prince)のみになるかもしれません。番組全体としてはドラマのような先に収録するいわゆる“完パケ”映像を中心に、生放送部分を減らす。全国各地からの中継リレーがメインとなるでしょう」(同・日本テレビ関係者)
このまま緊急事態宣言が解除されず、またオリンピックが中止あるいは延長となった場合でも内容が変わる可能性はあるというが、
「日テレといえば『24時間テレビ』、『24時間テレビ』といえば日テレ。看板中の看板番組ですからね。意地でもやるつもりです。また、この番組は“チャリティー番組”であるがゆえにスポンサーもお金を出しやすい。数十億円もの広告費が動きますから」(同・日本テレビ関係)
強行開催されようとしている東京オリンピックと似たような話になっているような気も……。