新大阪駅の人気駅弁屋『水了軒』の「八角弁当」が地味だけど本当に美味しい！

2021年3月16日 10時50分

食楽web

　大阪といえば、日本有数の食の街。代表的な大阪グルメと言えば、お好み焼きやたこ焼き、串カツなど。それらの料理が登場する前から、大阪は天下の台所と呼ばれ、純和風な料理がz多く食べられていました。

　そういった昔から愛されてきた大阪割烹料理が、意外な形で今も手軽に食べられます。それが今回紹介する『水了軒』の「八角弁当」です。

まずは改札の外のキオスクで水了軒の八角弁当を探してみて

　この「八角弁当」がどこで食べられるかというと、新幹線の新大阪駅。新大阪駅のキオスクで駅弁として販売されているので、行楽や出張の際の駅弁にピッタリです。

　ちなみに『水了軒』の「八角弁当」は決して派手とは言えない駅弁ですが、その味を知るファンは多く、かなりのスピードで売れています。

　実際、撮影用に購入する時も、最初に立ち寄った1軒目のキオスクでは売り切れていて2軒目で発見。見つけたので買おうとしている間にも、お客さんが1個2個と買っていきました。「水了軒の八角弁当がどうしても食べたい！」という人は、まずは改札外のお店を見てから改札内へと順番に探してみるのをオススメします。

八角形のお弁当箱がカワイイ

「八角弁当」は箱の真ん中に「水了軒、八角弁当」と書かれているので、これを目印に購入してください。

おかずの中心が煮物の「八角弁当」1188円（税込）

　フタをオープン！「八角弁当」はいろいろな具材が入った、いわゆる幕の内的なお弁当。おかずの中心はあくまで煮物で、「お肉がドーン！」や「揚げ物がギュウギュウ」という雰囲気ではなく、肉っ気が一番あるおかずで鶏の照り焼き。その次が魚の味噌焼となっています。

　お弁当の景色としては少し地味な感じですが、食べたことがある人なら写真を見ただけで「美味しそう！」となるはずです。

煮物のバリエーション豊かで何から食べるか迷います

　煮物が中心ですが、品数が豊富で何から食べるか結構迷います。まずはタケノコを一口。独特の繊維質を感じつつ柔らかく煮込まれて、おダシもよく染み込んでいます。

　煮物のおダシはもちろん関西風。あくまで薄味ですが、ほのかに甘みがあって、野菜の持つ本来の美味しさがよく引き出されています。

主役は何といっても高野豆腐！

　煮物の中でもイチオシ具材はズバリ、高野豆腐！「お弁当の一番のオススメが高野豆腐？」と言われそうですが、この高野豆腐こそが『八角弁当』の主役といって過言ではありません。

　高野豆腐には限界までおダシが染み込み、口に入れると想像もできない量のおダシがジュワッとあふれます。大げさに言えば、おダシで溺れるかと思うくらい。

　ほかにもエビや昆布巻き、里芋など、基本に忠実で美味しい煮物がいろいろ。煮物の定番である干しシイタケなどは「干物の食品がここまで？」という感じにプルップル食感で、食べるとビックリするはずですよ。

鳥の照り焼きは存在感抜群

　もちろん、他にも美味しいおかずがいっぱい。こちらは一番のヘビー級おかず、「鶏肉の照り焼き」です。香ばしく焼き上げたもも肉は、煮物中心のお弁当の中にあって、堂々たる王者の風格さえ漂っています。

焼き魚もめちゃくちゃ美味しい

　ほかには詰まった身質で旨味たっぷりの「赤魚の味噌焼」や、おダシいっぱいの「だし巻き卵」などが配置されていて、ボリュームも十分に感じられます。

　現代のお弁当といえば、濃いめの味付けや汁気を少なくするのがセオリー。それに対し、「八角弁当」は薄味でおダシたっぷりという対極の存在ですが、とても美味しいのです。

ぷりぷりのアナゴが美味しい「炙り蒸し穴子重」1150円（税込）

　ちなみに『水了軒』には、他にも美味しいお弁当がいっぱい。こちらはプリップリ食感のアナゴがドーンと2本も入った「アナゴ飯」です。

　途中で紹介した赤魚の味噌焼や鶏の照り焼きが主役に抜擢されている「大阪焼鳥弁当」や「赤魚西京焼弁当」なども販売されているので、あらゆる層に対応したラインナップとなっています。

「駅弁と言っても選択肢が多すぎて何を買えばいいか分からない」という人は、『水了軒』の文字を探せば、何を買ってもハズレなし！　新大阪の駅弁選びの参考にしてみてください。

（撮影・文◎けいたろう）

●DATA

水了軒

http://www.suiryoken.co.jp/

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材！食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。