「情報量が多すぎる!」

思わずそんなツッコミを入れたくなる畑の写真が、ツイッターで話題になっている。


情報量が多すぎる...!(写真は「柴犬が作る赤いキウイ(@farm_docan)」のアカウントより)

エッサ、ホイサッ。畑で少年と少女が作業中のよう。

少年はしゃがんだまま手をついて、地面に視線を落としている。

夢中になりすぎているのかな...。灰色の「作業着」がずり落ちて、お尻がポロンッ。

少年の向こうには赤い服を着た少女。躍動感がすごい。手に持っているのは、スコップだろうか。手と足を力いっぱい道具に加えて、何かを掘り出しているようだ。

2人とも無我夢中で作業している。一方、手前にペタンと座っている柴犬は「やれやれ」と他人事のような視線をこちらに向けている(ようである)。

少年と少女と柴犬。きれいな三角形を作り出している彼らがそれぞれが持つ「情報」の濃さたるや。

それが1枚の写真のフレームに収まっているので、目が行ったり来たりしてしまう。この写真を見た人からも、ツイッターに

「情報量が多すぎる!(笑)」
「視覚への、情報が大渋滞してる」
「ワンコと尻に目が行ってしまうwww」
「良い写真ですね!お尻を出した子一等賞」

といった反応が寄せられている。

みんな、なにをしているの...?

ツイッターで話題を呼んでいるのは、こちらの投稿。畑の畝づくりの最中で、土の中にある雑草の根っこと黒ビニールを掘り出している光景だったようだ。

Jタウンネットは2021年2月19日、写真を投稿した「柴犬が作る赤いキウイ」のアカウントに、写真の詳細を聞いてみた。

「博識な柴犬の監督(師匠)が、弟子(娘と息子)たちを率いて、無農薬で赤いキウイや野菜を育て収穫していく様子や、日常生活で弟子たちをスパルタ&英才教育している様子をツイートしています」

こう述べるのは、アカウントの中の人で兵庫県南部に住む「作業員」(40代男性)さんだ。

写真に映っているのは、畑を開拓する新人作業員の息子さんと「姉弟子」の娘さん。柴犬はペットで、畑の監督をつとめる「はっちゃく」(オス・9歳)くんだという。

作業員さんは、農家ではなく会社員。週末になると知り合いに借りている畑で、主に赤いキウイやイモ類を無農薬で栽培しているんだそう。

当時、新人作業員たちは、何をしていたのだろうか。

「はっちゃくはいつもどおり、作業を手伝うわけでもなく弟子たちの作業状況を監督しています。
男の子は必死に雑草をスコップで掘り返そうとしましたが、勢い余ってつんのめってしまった瞬間でした。過去にも投稿しているのですが、作業に夢中になればなるほどズボンが下がっていってします。
女の子は土起こし器という4本の爪がついた農具で、地中深く張った雑草の根っこを掘り起こしています」(作業員さん)

この様子に、作業員さんは、

「それぞれがつかず離れずの位置関係で、思い思いにやりたいことをやりだした様子が面白いな〜と思ってシャッターを押しました」

と感想を述べた。新人たちは土いじりを始めると、夢中になって黙々と作業をするんだそう。その時、監督はというと...。

「そして畑周りの野生動物の臭いを嗅ぎ終えたはっちゃくが作業する子供たちを見守りだすので、いつもそのタイミングで作業風景の写真を撮ることにしています」

監督率いる畑では新人作業員や姉弟子たちが、一生懸命作業中。現在は、「善玉微生物を活かした病気に強い土づくりをするために腐葉土や米ぬか、竹炭を土に混ぜているところ」だという。

できた畝には、3月からジャガイモ、5月にはサツマイモを植えるつもりという。子供たちが大好きなんだとか...!

作業員さんに、投稿が反響を呼んでいることへの感想を聞くと、

「数字の凄さは良くわかりませんが、今回の投稿をきっかけにたくさんの方々にフォローいただけて、とても驚いています。元々、世間にあまり知られていない赤いキウイのおいしさや作り方を多くの人に知っていただきたくて、ツィッターやインスタグラムを始めましたので、とても嬉しいです。
フォロー頂いた方には、これからも師弟トリオの活躍をぜひ楽しんでいただくとともに、赤いキウイの収穫時期にはおすそ分け企画を考えているので、楽しみにしていただければと思います」

なんだか、とっても和やかな「現場」だ。